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第79話 不意打ちからの

「何だ?」

「おい、あいつらっ⁉」

「『プゼルセイレーン』の奴らじゃねえかっ」

 『ランページクラブ』に勝っで気を抜いた所に、間髪入れずに僕達が攻め込んできたんだ。

 皆、慌てているのが分かる。

 これは、勝って兜の緒を締めていないからこうなったな。

「昔の人は良い事を言ったんだな」

 凄いなと思い感心して頷いた。

「何を頷いてるの、リウイ?」

「いや、別に」

 カーミラさんが不思議そうな顔をしながら、僕のを顔を見てきたので、誤魔化した。

「おら、おらおらおらっ!」

「ヒャッハー!!」

 何処の世界でも、こういう奇声をあげる人は居るんだな。

 しかし、その奇声をあげている所為なのか、それとも勢いが凄いからか。

「にげろっ、じゃないと、俺達は殺されちまうっ」

「ひいいい、俺はまだ死にたくねえ!」

 『クリムゾン・ティガー』のメンバーたちが逃げ出していく。

 ガイウスも逃げる敵は倒したり捕まえたりはしないようだ。

 逃げる敵は、この戦いが終わった後に時間を掛けて探すつもりなのかもしれない。

 そうして、逃げる敵を無視して攻撃していたお蔭で、残すはリーダーのゴルダっていう人だけになった。

「っち、俺達が『ランページクラブ』とぶつかった後に、攻め込んで来るとは、今日、俺達がぶつかる事を知っていたのか⁉」

 『プゼルセイレーン』のメンバー達に囲まれながら、そう叫ぶゴルダ。

「当然だろう。偶然でこんな事がある訳ないだろう」

 ガイウスは剣を向けながら話す。

「さて、降伏と抵抗、どっちを選ぶ?」

「……そんなのはっ」

 ゴルダは持っている得物を振りかぶり、ガイウスに向かう。

「ウオオオオオオオッ‼」

「・・・そうか」

 ガイウスはゴルダの振り下ろしの攻撃を避けて、そのまま通り過ぎた。

「・・・・・・ぐふっ⁉」

 ゴルダは口から血を出して倒れた。

「副リーダー!」

「大丈夫っすか?」

 皆、ガイウスを心配して駆け寄る。

 それを見て、ガイウスは手で制した。

「大丈夫だ。何処も怪我はない」

 それを聞いて、皆、安堵の息を漏らした。

「よし。お前等、勝鬨をあげろっ」

「「「おおおおおおおおおおおおっっっ⁉」」」

 ガイウスが剣を天に掲げると、皆、声を上げた。

 僕達はその輪の中から、そっと抜け出す。

 少し離れた路地裏に身を隠した。

「・・・そろそろ、来ても良い頃なんだけどな」

 僕がそう呟くと。

「リウイ様」

 何処からか声が聞こえた。

 僕達が周りを見ていると、路地の奥の方に人が居るのが見えた。

 胸元や腹の所にもスリットがある白いチャイナドレスこの人、確か、ユエの店に行った時に居た店員の人じゃないか。

「もしかして、貴女が『ビアンコ・ピピストレロ』のリーダーなんですか?」

「はい。改めて、自己紹介を。『ビアンコ・ピピストレロ』のリーダーのリメイファンと申します」

 頭を下げながら自己紹介するリメイファン。

「貴女が来ているという事は、もう」

「はい。既に我がチームは展開し『プゼルセイレーン』を包囲しました」

「成程」

「じゃあ、僕達は観戦させてもらって良いですか?」

「はっ。会長からも『リウイ殿は好きにさせろ』と言われましたので、どうぞご自由に」

 そう言って、リメイファンは姿を消した。

 さて、何処かで見れる所を探すか。


 僕が近くの空き家の屋根の上まで上がった。

 そこで、僕は観戦する事にした。

「あれ? そう言えば、ウィル達はどうした?」

「さっきまで、此処に居たんだけどな?」

 此処からなら、辛うじて話し声が聞こえるな。

 さてさて、どうなる事やら。

 そう思っていると『プゼルセイレーン』のメンバーを囲むように『ビアンコ・ピピストレロ』が囲んだ。

「な、何だ、手前らはっ」

「何処のチームだ?」

「こ、こいつら『ビアンコ・ピピストレロ』の奴らだっ」

 メンバーの一人がそう言うと、自分達を取り囲む者達の正体が分かり得物を構える。

『ビアンコ・ピピストレロ』のメンバーは徐々に包囲を縮めていく。

「手前ら、何の用だ!」

 ガイウスがそう叫ぶと『ビアンコ・ピピストレロ』の包囲の一箇所に穴が出来た。

 其処から、リメイファンが出て来た。

「こんばんわ。わたしは『ビアンコ・ピピストレロ』のリーダーのリメイファンよ」

「『ビアンコ・ピピストレロ』のリーダーだとっ⁉」

 まさか、此処にリーダーも来るとは思わなかったようで『プゼルセイレーン』の皆は驚愕していた。

「そのリーダーが何の用で、此処に来たんだ?」

「あら、そんな理由も分からないという訳ではないでしょう?」

 リメイファンはクスクスと嗤う。

「悪いけど、此処で貴方達を潰させてもらうわよ。そうすれば、此処の都市の裏を支配下に置く事が出来るのだから」

 それって、リメイファンが支配するという意味なのだろうか? それともユエが支配するという事なのだろうか気になるけど、まぁいいか。

「ふふ、あのウィルという子が役に立ったわ」

「なに? ウィルだと⁉」

「おい、このアマっ、ウィルに何をしたんだ?」

「ふふふ、聞きたい? 聞きたいわよね? で・も」

 リメイファンは両手に匕首何本を持ち構えた。

「貴方達に、話す事はないわ。此処で負ける貴方達には、ね」

 モルべさんが何か言おうと、口を開けたが。

「掛かれっ」

 リメイファンが号令を下すと『ビアンコ・ピピストレロ』のメンバーは声を上げて『プゼルセイレーン』のメンバーに襲い掛かった。


「おお、これは…」

「ふぅん。これはまた……」

「意外ね」

 僕達は『プゼルセイレーン』と『ビアンコ・ピピストレロ』との戦いを見ていたのだが、意外や意外に『プゼルセイレーン』が善戦していた。

 別に『ビアンコ・ピピストレロ』のメンバーが弱いという訳ではなく、意外に『プゼルセイレーン』のメンバーが強いようだ。

「全員、円陣を組んで堪えろ。傷を負った者は下がれっ。オデュセっ」

「任せろ。『大回復(ヒール)』」

 ああ、オデュセが傷の治療をしているようだ。

 更に。

「~~~~~~♪」

 モルべさんが歌を歌っている。

 その歌はどうやら戦意高揚の効果があるようだな。

「おらっ!」

 ガイウスが剣を振るい『ビアンコ・ピピストレロ』のメンバーを三人相手にして戦っている。

 そのガイウスの戦いぶりとモルべさんの歌の効果で、他のメンバーも善戦している。

 このままでは、不味いかもと一瞬だけ思ったけど、杞憂だった。

「第一陣下がれ、第二陣、掛かれっ」

 リメイファンがそう号令すると『プゼルセイレーン』を攻撃している『ビアンコ・ピピストレロ』メンバーは下がって、新しいメンバーが攻撃しだした。

 間断なく攻めだな。それによく見ると、今下がった第一陣の他にも、部隊があるな。

 あれは、第三陣のようだ。

 三段構えの攻撃か。包囲された状態で、これはかなりキツイぞ。

 第二陣の攻撃で、かなり疲弊した『プゼルセイレーン』だったが、まだ部隊としては生きていたが。

「第二陣下がれ、第三陣、掛かれっ」

 リメイファンの命令を聞いて、『プゼルセイレーン』のメンバーは絶望に染まった顔をしていた。

 結果。第三陣の攻撃により、『プゼルセイレーン』のメンバーは皆、地面に倒れた。

 それを見た僕は、見ている所から降りてリメイファンの下に行く。

「お疲れ様」

「はっ。ありがたきお言葉」

 リメイファンに労いの言葉を掛けると、リメイファンは頭を下げた。

 オデュセも、ガイウスも、モルべさんも、チームメンバーも皆、傷だらけで倒れていた。

「悪いのだけど、皆、縄で縛って」

「うらあああああっ‼」

 リメイファンと話をしていると、突然、ガイウスが立ち上がり、僕に向かって突撃して来た。

 皆、気を失っていると思っていた所為か、反応に遅れたようだ。

 ガイウスの手には剣を持っている。このままでは、僕に刺さると思われたが。


 バシュウンッ!


 そんな、ビームを発射したような音がしたと思ったら、ガイウスが剣を落として、手を抑えながら蹲る。

「もう、油断したら駄目じゃないっ」

 そんな事を言ったのは、ティナだった。

 ティナが持っている魔弾銃の銃口から煙が出ているので、どうやら今の音はティナの攻撃のようだ。

「捕らえろっ」

 リメイファンがそう命じると『ビアンコ・ピピストレロ』のメンバーがガイウスが捕まえだした。

「く、う、うらぎりものが・・・」

 ガイウスが縄で縛られながら、僕を見ながら言う。

 う~ん。裏切り者か。

 この場合、裏切っているのかな? 正直、裏切っているというよりも、僕としては騙していると言われた方がしっくりくるのだけど。

 でも、向こうからしたら、裏切っていると言えるのかな?

 どっちだろうな。

「リウイ?」

「うん? ああ、何でもないよ」

「そう。じゃあ、帰ろう」

「そうだね」

 作戦は成功したし、帰ろうか。





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