表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
303/756

第49話 仕事に専念しようとしたら

 僕達は魔獣に騎乗して都市に向かう。

 ヘル姉さんは、僕と並走している。

「どう、この都市は?」

「……立派だな」

「でしょう。ここまで立派にするのも時間が掛かったけどね」

「そうか、頑張ったな」

 ヘル姉さんは笑った。

「「ひっ⁉」」

 その悪魔が笑ったような笑顔を見て、僕が連れて来た者達は悲鳴をあげた。

 ヘル姉さんの笑顔を見慣れていないと、皆怖がるからな。

「ねぇ、リウ~」

「なに、ミリア姉ちゃん」

「この都市の名物って何?」

 名物か。特にないな。

 まだ、この領地は発展途上中だからな。精々。

「しいて言えば、青塩かな」

 僕がそう言うと、連れて来た人達も頷いた。

「あおしお?」

 ミリア姉ちゃんは首を傾げた。

「その、あおしお?というのはなんだ?」

「青塩と言うのは、この都市の北部にある『清海』の水で作った塩だよ」

 面白いのが、この『清海』の水を鍋の中で煮込んでいると、白い塩になるのだが、何故か、流下式塩田にすると、何故か白くならず青色になる。

 なので、鍋で煮詰めた方法の塩を高級品に、流下式塩田で出来た塩を一般的に使える値段設定にした。

 鍋で煮る方が手間と人件費が掛かるので、値段を高額にしている。

 僕は白砂糖と三温糖みたいな物と考えて販売している。

「へぇ、その塩って舐めても大丈夫なの?」

「まぁ、軽く煮沸消毒した、じゃあ分からないか、う~んと、ぐらぐらと煮込んだ後に、濾過しているから大丈夫だよ」

「ふ~ん。そうなんだ」

 ミリア姉ちゃん。聞いといて、そんな興味を失った顔は止めようよ。

「リウイ」

「なに?」

「その、りゅうかしきえんでん? と言うのは、何だ?」

「……簡単に言えば、塩を作る方法の一つだね」

「成程。そうか」

 ヘル姉さんはそう言って、手を伸ばして、僕の頭を掴む。

「リウイは頭が良いな」

 口を三日月の様にして、目を細める。

 本人は笑顔を浮かべているつもりなのだろうけど。

「「…………」」

 僕の連れて来た人達は顔を引きつらせていた。ヘル姉さんの顔を見慣れていないからしたら、まるで、無理矢理笑って、僕がした事を褒めている様に見えるんだろうな。

 悪い人じゃあ、ないんだけどな~。

 そうして話していると、フェル姉さんが僕達の所まで来た。

「相変わらず、仲が良いわね。貴方達は」

「フェル姉。此処って、強い魔獣とか居るの?」

「都市近郊は居ないけど、少し遠くの山とか行くとそれなりに居るわよ。後は『清海』から北部にある土地と『奥地』って言われている樹海に強い魔獣がゴロゴロしているわ」

「へえ‼ それは楽しみっ」

 ミリア姉ちゃんの目が輝きだした。

 頼むから、各部族に迷惑を掛けないで欲しいな。

 そう思いつつ、僕達は進んでいき、そのまま都市に入っていく。

 館に入ると、歓待の宴を開いた。


 翌日。


 朝目覚めて、私室で朝食を取ろうとしたら。

 コンコンっと、ドアがノックされた。

「誰かな?」

『わたしよ。ウ~ちゃん』

 この声とその呼び方、フェル姉さんか。

 僕はどうぞと入室を許可したら、フェル姉さんはドアを開けて入って来た。

「朝早くから、何か用?」

「ええ、ヘルミーネを連れて、ちょっとこの都市の案内をしてあげようと思うのだけど、良いかしら?」

 観光させるのか。まぁ、別に良いか。

「別に良いよ。じゃあ、部下の誰かを案内人に」

「ああ、要らないわ。わたしとヘルミーネだけでいいから」

「あれ? ヘル姉さんだけ。ミリア姉ちゃんは?」

「ミリアなら、麾下の『ベルゼルガ』を連れて、魔獣狩りに行ったわよ」

 ああ、ミリア姉ちゃんらしいな。

「そう言うなら、任せるよ」

「ええ、任せなさい」

 フェル姉さんはドンと任せろとばかりに、胸を叩いた。

 そして、部屋を出て行った。

 朝食を食べ終えた僕は、執務室に向かう。

 執務室の机には、大量の書類があった。

 今日は書類仕事に専念するか。

 机の上に乗っている書類を一枚とり、内容を見ていると。

 コン、コンコン。

「誰かな?」

『リッシュモンドです』

「どうぞ」

 僕がそう言うと、リッシュモンドが部屋に入って来た。

 手には書類の山を持って。

「本日はこちらにも目を通してください」

「…分かった」

 今日は珍しく仕事が多いなと思いつつ、仕事をする。

 

 そうして、書類を片付けて、そろそろ昼だなと思っていると。

 ゴンゴン‼

 随分、荒いノックだな。

『リウイ様。大変です! 入っても宜しいですかっ』

「ああ、良いよ」

 僕がそう言うと、官僚の一人が部屋に入って来た。

「そんなに荒いノックをして、如何かしたのか?」

「はい。先程、北地区に衛兵から報告が来まして、その、なんと申しますか・・・」

 官僚は流れる汗をハンカチで拭いている。

 何だ? 魔獣の大群でも、この都市に迫ってきているのか?

「何があったんだ?」

「は、はっ。フェル王女様方が、暴走して重軽傷者を多数だしたと、先程と報告がきました!」

 ……はい?











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ