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閑話 ランシュエの心境

ランシェ視点です。

 わたし宛てに届いた手紙の中身を流し読んだ後、手紙を持ってリウイ様の下に行く。

 リウイ様はその手紙を読んで、少しだけ首を傾げていたが、読んでいく内に、これで良いとばかりに頷いていた。

 そして、読み終わるとリウイ様の思惑通りに言っている事が嬉しそうであった。

 兄の口から度々出て来る『逆鱗』と言うのが気になったのか、何処にあるのか訊ねて来た。

 これについては不敬かも知れないけど、答える事が出来なかった。

 わたしは答えをそこそこにして、部屋を出て、自分の部屋に向かう。

 自分の部屋に着くなり、わたしはベッドに飛び込んで、枕に顔を埋めた。

 だって、竜人族の男女は『逆鱗』がある場所が違う。

 男性は首の丁度喉仏あたりにある。

 そこの場所にある事から、男性が『逆鱗』を人に捧げるという事は『貴女に首を預けます』という意味になるので、忠誠の証と言われている。

 対して、女性の方はというと、……身体の奥にあるのだ。

 その為に、婚約の儀式と言われている。

 ちなみに、この『逆鱗』だが、男性は違うが女性は生え変わる。

 一年に一度出て来るのだ。女性特有のつらい日に。

 結婚して子供が出来ると、出て来る事は無くなる。

 なので、竜人族では『逆鱗』を持っている女性は未婚の女性という意味を持っている。

 かく言うわたしも生れ落ちて百年ほど経っているが、今だに『逆鱗』を捧げる人は見つかっていない。

 正直に言って、これはと言う人が居ない。

 わたしの好みは、人望を持ち頭が良く自分の器量を知っている人だ。欲を言えば、わたしが話をしていて楽しいと思えるとなおよい。

 ここで言う器量というのは、顔立ちではない方だ。

 才能があれば色々な事が出来る。徳があれば孤立する事はない。

 正直、美醜についてはそれほど気にしない方だ。

 そう考えると、リウイ様と話していると楽しいと思う。

 色々な事を知っている上に、話していて飽きない。

 向こうは、わたしの事をどう思っているか分からないけど、出来れば楽しいと思ってくれると嬉しい。

 誰にも言っていないが、正直に言って、リウイ様の事は嫌いではない。

 温厚でありながら、各部族の苦情を聞いても適度にあしらいながら、自分達の要求を通す剛胆さ。

 かと言って、こちらの要求にも応えてくれる懐の深さ。

 隠しているようだけど、誰に対しても腰が低い。

 一度、メイドの人に『そんな言葉遣いだと、侮られますよ』と言われているのを聞いた事がある。

 人の接し方など、人それぞれなので、そこは好きにさせたら良いと思う。

 ……こうして、考えると、わたしはリウイ様に悪感情を持っていない事に気付いた。

 今度、本当に『逆鱗』を渡そうかしら?

 そこ所は、母に相談してから決めよう。

 




 

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