閑話 ???の謀り事。
今回は第三者視点です。
魔国から西に数海里離れた大陸にある某所。
そこで、会合が行われていた。
「で、あるからして、大陸における我が商会の影響力は日増しに増えていくと考えます」
「それは表も裏もか?」
「はい。表は商会の、裏では我ら秘密結社『紅幋』もです」
「では、重畳だな」
「いずれは大陸中に我らの組織の旗が立つのも夢では無いな」
「まさに」
会合に出席しいる者達が、談笑しながらこの先の展望を楽しんでいた。
そんな中で、一人だけ喋らない者が居る。
暗い中で行われているので、シルエットでしか分からないが、どうやら女性のようだ。
女性は羽根扇子で口元を隠しながら、目をつぶっていた。
「会長。何か問題でもありましたか?」
「……魔国の方はどうじゃ?」
「はっ。現地に居る商会の支店長の報告ですと、今だ一店舗しかありませんが、その内に増やしていくとの事です」
「魔国で行なっている部隊訓練も順調だそうです」
「そうか」
会長と言われた女性は扇子を閉じる。
「近い内に、魔国にも視察に向かう。じゃが、その事は支店長には報告せぬように」
「は、はっ」
男性は頭を下げた。
「では、皆、職務に励むように」
「「「ははっ」」」
会長を除いた者達が一礼すると、部屋から出て行った。
部屋には会長一人だけになった。
そこにメイド服を来た女性が部屋に入ってきた。
「お疲れ様です。会長」
「ああ。喉が渇いた。茶を淹れてくれ」
「畏まりました」
メイドが一礼して、部屋を出た。
会長は一人になると、窓の外を見た。
外は夜といえる時間であった。
その部屋の窓から見えるのは灯りがともった町並みであった。
「……綺麗な景色だな」
会長はこの窓から見える景色を見下ろしながら呟いた。
「……お前が、いないだけで寂しくて仕方が無いぞ。……まぁ、この世界にいる皆、そう思うだろうがな」
会長は一人ごちる。
「…………いつになったら、おまえに会えるのだろうな。……」
それ以降、会長は一言も話さず窓の景色を見た。




