第97話 アイゼンブルート族の族長と会談
このヴェーアハトの案内で、僕達はそのケニギンアーヌルの所に行く。
道の幅は広くぶつかる事はないのだが、何故、アマルティア達は僕の裾や服を掴んで離れないようしながら僕の後に付いて来る。
「あの、歩きづらいんだけど」
「ですけど、此処って何があるか分からないのでっ」
「大丈夫だと思うのだけど」
「そう思うのはリウイ君だけだからっ」
この中では一番大人なビクインさんも怖いようだ。
その後も、何処かしらから何か音をする度に、皆飛び上がり僕に抱き付いて来る。
ちょっとだけ役得だと思ったのは秘密だ。
そして、ある部屋の前に着くと、扉が開いた。
部屋から出て来たのは、ヴェーアハトと似た姿をした人達が出て来た。
違うのは、色と後細かい装飾ぐらいだ。
「ヴェーアハト。この者達ガ、客人カ?」
青く塗装された人がヴェーアハトに尋ねている。
ふむ。こちらも少しカタコトだ。という事は、こういう風に造られたと考えた方が良いんだな。
「そうダ。リウイ殿ダ」
「そウカ」
そう言って、皆さん僕をジッと見る。
「初めまして」
僕は頭を下げて挨拶をする。
そう挨拶したからか、何か部屋から出て来た人達は僕と同じように挨拶を返してくれた。
意外に律儀な所がある部族のようだ。
「そちらガ先ニ名乗ッタので、我ラも名乗ロう。わたしはジネーラルゼーリエが一機 ユプスィロンドライだ」
「どうも」
「残りの者ハ、ワタシと同じジネラールゼーリエで、右からファオゼクス、ウーズィーベン、イクスフィーアです」
紹介された人達は、頭を下げた。
「フォアゼクスです」
こちらの人は白で。
「ウーズィ―ベンだ」
こっちは黒で。
「イクスフィーアと申シまス」
こちらの方は全身を金色にしていた。樹海でも目立つだろうな。
「うん? ヴェーアハトさんはジェネラルゼーリエと言っていたけど、皆さんと違うのですか?」
「いえ、同型デス。ですが、ヴェ―アハトは一部ノ言語機能が壊れテおりまシて」
つまり、ジネラールと言う所をジェネラルと言ったという事か。
他にありそうな気がするけど、機会があったら聞いてみよう。
「この部屋にケニギン族長? が居るのかな?」
「そうデス。それと訂正を。ケニギン族長ではナくケニギンアーヌル族長デス」
「成程。失礼しました」
そのケニギンにゼーリエがつかない所を考えると、一機しかいないからゼーリエがつかないと考えたら良いのかな。
まぁ、会ったら分かるか。
「では、ゴ案内しまス」
ユプスィロンドライさん達は身体を退けて、道を開けてくれた。
流石にアマルティア達は僕から離れて立っている。
ちょっとだけ勿体ないなと思いつつ、僕達は部屋の中に入った。
部屋に入ると、そこも近未来的な部屋だった。
何かの金属の建材で出来た壁。
天井を支える柱には装飾などは施されていないが、メタリック塗装されていた。
部屋の奥には、幾つものケーブルに繋がれたデカく透明な柱があった。
その柱の中は何かの液体で満たされ、その液体の中で浮かんでいるのは、今迄みたアイゼンブルート族の人達と違い、女性的なフォルムをしている人が入っていた。
「あれが?」
「そう。あれガ、我らアイゼンブルート族の部族長ケニギンアーヌル様でス」
失礼だけど、アーヌル達は男性のような作りなので、部族長も男性を似せて作られたのだろうなと思っていた。
「ようこそ。我らが住処にして基地である『ティーガー・スシャンツエ』へ。歓迎しますよ。樹海から来た者達」
えっ⁉ 何か凄い流暢に話し出した。
今迄の流れから、全部カタコトかカタコト混じりだと思っていたのに。
「? どうかしましたか?」
「いえ、何でもありません。コホン。お初にお目にかかります。ケニギンアーヌル族長。自分は魔国の使者でリウイと申します」
「ケンプファゼーリエ・トゥープアーヌルから話は聞いています。まだお若いのに、よくぞここまで来ましたね」
無表情なので笑顔なのかどうか分からないが、多分笑っているのだろう。
「お気遣いありがとうございます」
「では、貴方に此処に来てくれた経緯を詳しくお話しします」
「はい。お願いします」
僕はケニギンアーヌル族長の話に耳を傾けた。




