第93話 おや、アーヌルと同じ部族の人がいるな
僕以外の人達が聞こえたという戦闘音が聞こえる所に、僕達は向かう。
で、その向かった先に居たのは。
「これでも喰らえっ」
ビクインさんによく似た顔立ちの女性が、何の魔法かは分からないが放っていた。
「お姉ちゃんに続いて、いっけえええっ」
もう一人の女性も、先程の女性に続けて魔法を放った。
ドーンっという派手な音を立てて爆発した。
土煙が舞い上がり、一時視界不良となった。
やがて、煙が晴れた。しかし、魔法を当てた者には全く効果がないのようで、まだピンピンとしていた。
「だったら、これでっ」
もう一人の女性が持っている剣で、その相手を突き刺す。
だが、相手の身体を突き刺す事はなかった。
「っち、何て、固いんだっ」
「下がって、ニーグ。アルべ、魔法の攻撃を続けるわよ」
「分かった!」
三人は攻撃をし続けるが、効果がないようだ。
「あれって、ハチの昆虫人ですよね?」
「そうですね。ビクインさんに訊いて」
「おおおおおっ、アルべ、ルビド、ニーグ、無事だったかっ⁉ 待ってろ。叔父さんが助けてやるっ‼」
ああ、やっぱり、ビクインさんの娘さん達なんだ。
そして、スピービーさんがまた突撃していた。
「「「叔父さん、邪魔っ‼」」」
「おぶあああっ‼」
姪っ子達の口撃と攻撃を受けて、その場で倒れ込む。
哀れすぎて、涙が。
「マスター、あの者、アーヌルに似ていませんか?」
「うん?」
そう言われて、僕は魔法を受けている者を見る。
確かに、何かメタリックな外見をしているな。
目の部分はモノアイみたいだ。
違うのは、そこだけで他の所はアーヌルそっくりだな。
「確かに、そうだな」
「どうしますか?」
仲裁すべきか、それともとりあえずはこのまま様子を見るか、さて、どうしようか。
「目標、発見」
うん? 何か呟いたような気が。
って、そう思っている間に、何かアーヌルそっくりの人|(?)が、僕に向かってきた。
その間も、ビクインさんが魔法を放つが、まったく効果がないようだ。
何か、僕に用があるのだろうか?
「止まりなさいっ」
スイレンさんが糸で拘束しだした。これで止まるな。
そう思ったが、糸は直ぐに千切れた。
「なぁっ‼」
糸を千切られ驚くスイレンさん。
そう驚いている間に、その人は僕の前まで来た。
「マスターっ‼」
アリアンが魔法を放とうとしたが、僕は手で止めた。
どうやら、そちらは人は戦闘をする訳ではないようだ。
「や、やあっ」
とりあえず挨拶をする僕。
その人は一つしかない目で僕をジッと見ている。
「リウイ殿カ?」
「そうです。貴方は?」
「ワタシハ、アイゼンブルート族イエーガーゼーリエガ一機、トゥープカーアインスト申ス」
「これはどうも。ちなみに、アーヌルと知り合いですか」
「知リ合イ、違ウ。ワタシトアーヌルハ只ノ同族ダ」
同族。うん、見た目で分かります。
「僕に何か御用なのかな?」
「ハイ。アーヌルカラノ伝言ヲ伝エテクレト言ワレタノデ参リマシタ」
「アーヌルが? 何と言ったのかな?」
「部族ニ合流成功。合流成功後、部族ノ上位種ト会談中、巨人族ガ襲来、迎撃シ巨人族ノ族長ヲ捕縛シタノデ指示ヲ仰グ。トノ事デス」
そっか、合流成功したのか、良かった。って、今、巨人族の族長を捕縛したとか言わなかった?
「……すいません。スイレンさん」
「なに?」
「巨人族の族長の名前は分かりますか?」
「ええ、名前はオケアノスよ」
「カーアインス。捕まえた族長の名前は?」
「オケアノスト言ッテイマシタ」
わぉ、同名の人っているんだ。って、違うか。
「驚いたわね。オケアノスを捕まえるなんて、凄いわね」
スイレンさんは驚きながらも、賞賛していた。
「我々ハドウシタモノカ考エテイタラ、アーヌルガ貴方ニ相談シタラ如何ダト発言シタノデ、コウシテワタシガ来マシタ」
「成程」
そっちで決めればいいのに、さて、どうしたものかな。




