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第87話 巨人族の所に向かいます。

 昆虫人族との話し合いが終り、準備を終えた僕達は直ぐに巨人族の住処である『アウルゲルミル』へ向かう事となった。

「じゃあ、行くとしようか」

「あたしも付いて行っても良いかしら?」

 えっ? 貴女族長だよね?

 ちょっと、フットワーク軽すぎませんか?

「それは、流石に」

「気にしない気にしない」

 そう言って、僕達は一度外に出る。

 バタバタさん達は、僕達と一緒に誰を連れて行くか話し合うそうだ。

 その間に、僕は外にいる三人にの事を話す事にする。

「お待た、せ⁉」

 外に出て、目についたものを見て驚いた。

 クレーターは幾つも出来ており、その上、各部族長の護衛の人達が地面に倒れていた。

 倒れている人達は、皆ボロボロだが呻き声をあげているので、生きてはいるようだ。

「だ、大丈夫ですか?」

 近くに居る、何かクワガタっぽい姿をした人に声を掛ける。

「ウ、ウゥ・・・・・・」

 見た所、怪我は酷いが致命傷ではないようだ。

「い、いったい、何があったんですか?」

 クワガタっぽい人は手を振るわせながら指差した。

 僕はその指差された方向を見た。

 そこには、ルーティさんとカーミラさんとアマルティアの三人が睨み合っていた。

 三人の周囲は、地面が隆起していたり抉られていたりクレーターが出来ていた。

「あの三人が原因ね」

 多分、そうだよね。

 どうしよう。どう話したら、あの三人が止まるのか分からない。

「何をしているのよ。あの三人は」

 呆れたように呟くスイレンさん。

 そう言えば、アリアンは何処に行ったんだ?

 僕は周りを見ていると、アリアンの姿は無かった。

 何処に行ったのだろうか?

「リウイ。あそこに」

 スイレンさんが指差した方向に、アリアンが居た。

 アリアンはそこで魔法で障壁を張っていた。

 どうやら、その障壁で外の音と衝撃を防いでいたのだろう。

「アリアンっ⁉」

「マスター、ご無事でしたか」

「ああ。それで、どうしてこうなったんだい?」

「はい。あの三人が、マスターと一緒に話し合いの場に付いて行こうとしたら揉めまして、その間にマスターが行ってしまったので、置いてけぼりとなった三人が、付いていけなかったのはそっちの所為だと口論になりまして」

「で、直ぐに取っ組み合いの喧嘩となったと?」

「護衛の方々も、止めようとしてくれたんですが。あの三人に蹴散らされまして、わたしは三人の喧嘩の余波でこの建物が壊れない様に結界を張るのが、精一杯でした」

「ご苦労様です」

 僕は、アリアンを労う言葉を掛けた。

 そう言わないと、可哀そうだ。

「さて、どうやって、あの三人を大人しくさせようか」

 顎に手を当てて考える僕。

 僕が声を掛けた程度で、あの三人が止まるとは思えない。

 なので、どうしたものかと考える。

「まったく、人様の里でこんなに暴れるなんて、あの子達、常識というのを持ってないのかしら?」

 スイレンさんは顎に手を当てて呟く。

 すいません。その三人は僕の護衛です。

「仕方が無いから、あたしが止めるわ」

 そう言って、スイレンさんは身体を変化させた。

 背中に蜘蛛の足が生え、それでいて人間の姿を取っていた。

「それは?」

「あたしの第二形態よ」

 第二形態か。だとしたら、第三形態とか最終形態とかもあるのか。

 ちょっと見てみたいな。

「じゃあ、行くわよ」

 そう言って、スイレンさんが腰を沈めて足を曲げる。

 ある程度腰を沈めると、今度は前のめりに倒れそうになった。

 あと少しで倒れると言う所で、スイレンさんは足を前に出して、一気に加速した。

 凄い速さで、三人の傍に行く。

「「「っ⁉」」」

 気配で察知したのか、三人はスイレンさんの方に顔を向ける。

 スイレンさんは速度を緩める事無く、そのまま進み、丁度三人の真ん中あたりの所で止まる。

「はい。三人共、少し静かにしていましょうね」

 スイレンさんは背中から出ている足の先から、糸を出した。

 その糸は直ぐに三人に巻き付いた。

 三人はがんじがらめとなった。

「「「~~~~~~~~~~‼⁉」」」 

 三人は口も塞がれて、声も出す事が出来なかった。

「じゃあ、リウイ。この三人を借りるわよ」

 スイレンさんはそう言って、三人を糸で引っ張りながらどこかに行く。

 スイレンさんの手並みに、感心しながら見ていたら、アリアンが声を掛けてきた。

「我々はどうしますか?」

「そうだね。じゃあ」

 僕は周りを見た。

「この倒れている人達の介抱をするか」

「分かりました」

 僕とアリアンは倒れている人達の介抱と地面とかを出来るだけ元に戻すようにした。

 介抱とか諸々終ると、部族長達が出て来た。

 皆、自分達が連れてきた護衛が倒れているので、驚愕していた。

 僕は事情を話し陳謝した。

 とりあえず、部族長達は受け入れてくれたようだ。

 何人か不満そうな顔をしていたが、まぁ良しとしよう。

 そして、僕達は部族長達が用意した護衛が来るまで、昆虫人の巣を散策した。





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