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第84話 話し合いが行われ、話しが終わると

「はっははは、それはまた面白い状態になったな」

 エキシアンさんは腹を抱えて笑い出す。

 今は首は繋がっているが、笑うあまり首が落ちないか冷や冷やする。

「とはいえ、族長と話すのだから、そろそろ下ろした方が良いと思うが。スイレン殿」

 リッシュモンドが、そろそろ下ろせと言う。

「エキシアンは別にこのままでも良いでしょう?」

「ああ、俺は別に」

「……」

 あっ、リッシュモンドが凄い睨んでいる。

 エキシアンさんの青白い顔を、余計に青くさせていた。

「さ、流石に、このままでは礼儀を失していると言えるだろう。下ろしたらどうだ?」

「そう。エキシアン殿がそう言うなら、仕方がないわね」

 ようやく、下ろしてくれた。

 すると、今度はアマルティアが僕の右腕を抱き締めながら胸に押し付け、カーミラさんは僕の左に立ち、頬を抓る。

はせ(なぜ)

「ふんっ」

 顔を背けるカーミラさん。

 すいません。頬の抓るのを止めてください。

「はっはは、吸血鬼族の中でも、次期ナイト・ロード筆頭と言われる者をここまで垂らすとはっ」

 エキシアンさんは笑うけど、そのナイト・ロードってなに?

「何ですか? そのナイト・ロードとは?」

 僕が考えを読んだかのように、アリアンがエキシアンさんに訊いてきた。

「それはだな。ナイト・ロードというのは、吸血鬼族の王の別名だよ」

 つまり、ナイトロードという意味か。

 でも、それだったら、吸血鬼の血を取ってブラッドロードでも良いのではないだろうか?

「ちなみに、男の王の場合は血の王と呼ばれる」

 ああ、成程。

 男は血の王。女性は夜の王と名乗るのか。

 そう訊くと面白いな。

「つまり、カーミラさんは吸血鬼族の女王候補なのか」

「更に言えば、女性で吸血鬼族の王候補になっているのは、この女だけだ」

 ああ、それでナイト・ロード筆頭なのか。

 という事は、僕は吸血鬼族の女王候補筆頭を連れているという事か⁉

 と、とんでもない人を連れてきてしまった。

「そんな事よりも、今は重要な話があるでしょう」

 じ、自分の事なのに、そんな事で片付けるとは、ビックリだよ。

「まぁ、そうだな。こちらも悠長にしている暇が無いのでな」

 暇がない? ああ、そうか。巨人族が戦争を仕掛けてくる気配がしているって、リッシュモンドが言っていたからな。

「では、僕の意見から言っても良いでしょうか?」

 ここは先に、こちら側の意見を言い、それで向こうの意見をなるべく聞くという方法にした方が良いだろう。

「承知した。まずは、そちらの意見を聞こう。スイレン殿も良いな?」

「ええ、構わないわ」

 スイレンさんも同意したので、気兼ねなく言おう。

「こちらは、別に従属するのであれば、人質などは取るつもりはない。だが、その代わりに税として、部族で採れる食料又は産物の四割を徴収させる」

 正直、他の部族なんかより、このアラクネ族が従属してくれると助かる。

 アラクネ族の糸で作った生地は高級品で知られている。

 それを使って一儲けが出来る筈だ。

 儲けた金で、領地を整備すれば更に金が入るという循環が出来る。

 正に素晴らしいと言えた。

「四割か。少なくないか?」

「あまりに、こちらの取り分が多いとそちらの不満が溜まるでしょうし、生活がおぼつかないと思えるので、これくらいで良いと思います」

「「…………」」

 僕の言い分に、両族長は黙り込む。

 どうやら、二人の中では、もっと酷い条件を突き付けるのだと思っていたようだ。

 よし。このまま僕の意見を通せば、この二つの部族も従属するだろう。

 そのまま二人は、何も言わず考え込んでいる。

 そして、最初にスイレンさんが口を開いた。

「その四割というのは、どんな状況でも変わりないのかしら?」

「はい。変わりません」

 多分、スイレンさんが言う変わりないというのは、恐らく凶作だろうと豊作だろうと、税を四割治めてくれと訊いてきたのだろう。

 僕はその意味を理解した顔をして頷いた。

「成程な。よし、デュラハン族は魔国に従属しよう」

 エキシアンさんが先に従属すると言う。

「ち、ちょっと、先に言うなんて、ここは女性に譲りなさいよ。あたしも魔国に従属するわ」

 スイレンさんも従属すると言ってくれた。

 よし、これでかなりの部族が従属してくれた。

 さて、後は調印を済ませたら、次の部族の所に行くとしよう。

「失礼しますっ」

 おお、アラクネ族の人が突然部屋に駆けこんで来た。

「何事かしら? 今は会談中よ」

「申し訳ございません。ですが、付近を偵察していた者からの報告が入りまして、緊急案件により参りました」

「緊急? 何かしら?」

「はっ、先程巨人族が、準備が終り、今にも昆虫人族の巣の所に進軍を開始するとの事です」

 何だって? もう来たのか。

「ついに来たか。思ったよりも早かったな」

「さて、どうしましょうか」

 エキシアンさんは髭を撫でながら、スイレンさんは頬に手を添えながら呟いた。

 さて、僕はどうするべきかな? 少し考えるか。











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