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とある部族長の一日

人獅子族ネメアー視点です。

 朝日が戸外から差し込んで来る。

 我はそれを感じて、瞼を開けて顔を洗う。

 干し草の上に魔獣の毛皮を敷いたベッドから身体を起こすと、隣に寝ている筈の妻の姿はなかった。

 代わりに置手紙がが置かれていた。

『娘達と狩りに行ってくる。大物を狩って帰るから、楽しみにしていろよ』

 力強く書かれた字はまさしく妻の字だった。

 筆不精な妻なので、これでも書いた方だ。

 さて、妻達の狩りの成果を楽しみにしながら、我も人獅子族の長としての役目を行うとしよう。

 家を出ると、訓練にしている者、武具の点検している者等々色々な者達がいる。

 我はその者達を横目で見ながら歩いていると、部族の者が駆け寄ってきた。

「ネメアー族長‼」

「うん。どうした?」

「あの、村の入り口で、その、何というかきゃくじん? が来ています」

「何だ? その疑問形は?」

「何と言いますか、変わった組み合わせでして」

「どんな組み合わせだ」

「魔人の男と獣人の女が二人に、最後に吸血鬼です」

「なに⁉ 吸血鬼だと⁉」

 カチコミか⁉ それとも宣戦布告にでも来たか⁉

 ふん。ちょうど、退屈していたから、相手をしてやろうぞ!

 我は入り口の所まで行く。


 我が村の入り口まで来ると、部族の者が人だかりとなっていた。

 まるで、見世物を見ているようだ。

「ええいっ、お主ら、見世物ではないのだ。退かんか⁉」

 我が叫ぶと、道が出来た。

 その道を歩み、村の入り口に来た者達の前まで来た。

 部族の者が来た時に言っていたが、変わった組み合わせだな。

 魔人族の者と、獣人の女が二人に、吸血鬼か。

 う~む。何しにきたか分からんな。とりあえず、聞いてみるか。

「我は人獅子族の族長ネメアー・ゼへクレスだ。お主らの名は?」

「わたしは吸血鬼族のカーミラ。獣人の二人は護衛ですので、説明は省かせてもらいます」

 ふむ。護衛か、二人共なかなかの実力者と見るな。

 娘達といい勝負だな。

「そして、こちらの方はリウイ様。魔国の王、魔王の末の王子でございます」

「王子? 何でそんな者がここに?」

「魔国の使者として、この樹海に来たのです」

「使者?」

 何の使者で来たのだ?

 分からんが、話ぐらいは聞くとしようか。




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