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第66話 いざ、行かん。人獅子族の村へ

「えっ⁉ 人獅子族の所にですか?」

 カーミラさんは目を見開いて驚いているようだ。

 そう言えば言っていなかったな。

「次はアラクネかデュラハンのどちらかの部族の所に行くのではないのですか?」

「いや、少し考えたのだけど最初っから、親しくしている部族の所に行くよりも、仲が悪い部族の所に行って、仲介した方が良いかなと思ってさ」

「え、ええ~、人獅子族は樹海の中でも過激派で知られていますよ。そんな所に行ったら殺されるかもしれませんよ」

「大丈夫じゃないかな。流石に問答無用で殺したりはしないでしょう」

「ですが」

「大丈夫でしょう。いざとなったら、わたし達がマスターを守れば良い事ですから」

「ですね」

 アリアンがそう言って、あいの手をいれるアマルティア。

 そして、カーミラさんを見て、ニコリと笑う。

 その顔を見て、何処からかピキッという音が聞こえてきた。

「ふっ、ふふふふ、良い度胸ね」

「えっ、わたし、何かご気分を悪くするような事を言いましたか?」

 また、僕を挟んで睨み合い始めた。

 そのまま睨み合いするかなと思って居ると、二人は何も言わないのに僕から離れた。

 すると、アマルティアは居合の体勢を取り、カーミラさんは何も無い空間に手を突っ込み、引き抜くとその手には黒い剣が握られていた。

「「………………」」

 二人は得物を持ちながら睨み合う。

 そして、二人間に木の葉が風に揺られながら落ちていく。

 木の葉が二人の胸元辺りまで来た所で、二人はほぼ同時に駆けてぶつかった。

 激しくぶつかる金属音、それによって生じる火花。

 その激しいぶつかり合いを僕達は、溜め息を吐きながら見た。

「どうしますか?」

「疲れたら終るだろうから、このまま終わるまで待とうか」

「承知しました」

 僕達は朽ちて倒れている樹木に座る。

 そのまま観戦しようと、思っていたらオレンジ色の実が目に入った。

 これは、もしかして。

 僕はその実を取り、匂いを嗅いだ。

 この鼻につく癖がある匂い。これは。

「マタタビ?」

「おや、珍しいですね。これはカタリアミントではないですか」

「カタリアミント?」

「はい。そうです」

 そう言われて葉を見ると、確かにミントの形に似ているな。

「実と葉は美味しく食べれますよ。少し取ってみますか」

「そうだな」

 僕とアリアンはそのカタリアミントの葉と実を持てるだけ採る事にした。

 採る途中、色々な薬草や野草を見つけて採取した。

 採取が終り、先程の場所に戻ったら、アマルティア達は肩で息を吐きながら休んでいた。

 諍いも終わったようなので、僕達は少し休憩を取ったら人獅子族達の村である『プライド』へと向かう。




 


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