【哲学?】「かわいそかわいい」から考える現代の「可愛いげ」とはなんなのか【語学?】
これは昔、「育休は存在するけどみんな結婚するから取った人いないよ」と言われたりとか、女性はお茶汲み文化のある会社にいた時の話なんですけど(令和)
何したか忘れたのですが、「可愛げがない」って言われたんですよ。
まぁ謙虚さがないも言われてたので、私が跳ねっ返りなだけと言えばそうなんですけど! たぶん前の職場は若い人多かったから、普通にこうした方がいいのではとか口出しちゃったのがダメだったんですよね。
まぁそれはそれとして、そんな可愛げならいらないと思ったんですけど〜!
この可愛げには都合の良さとかが透けて見える気がしたから、気に食わなかったんですよね。でも私だって、可愛げのある人は好きですよ。ある方がいいに越したことはないよね。
まぁ仕事としてはね、私が悪いのだろうとは思います。これで会社回ってるんだから、私が口を出すことではなかったのでしょう。
ただなんか違和感あるというか。
私の思う可愛げと。
この上司の言う可愛げ。
別もんじゃね???? と思いまして。
実際今の職場では、空野さんは可愛げあると思いますけど……と言ってもらったことありますので(男性からも)、たぶんこれは主観だけの話ではなく。
じゃあ「可愛げ」とはなんぞやと、思ったんです。みなさん、答えられますか?
私、一応大学では日本語学専攻でしたので、語源なんかは知っております。可愛げとは可愛いの変化、つまり形容詞の名詞化した単語です。
ただし違う点として。
可愛いは容姿のことも含みますが。
可愛げは内面のことを主に指します。
ちなみに可愛いの語源は可哀いからきております。
つまり可哀想に感じて情けをかけるという感じからきているのです。まぁもっと遡ると面映い(照れる、恥ずかしい)にいってしまうのだけど、この意味は現状ほぼ残ってないので割愛。
どちらにせよ、可愛い自体に容姿の意味のことも入ってる今はわりと違う言葉になっていますね。漢字からも「愛するべし!(漢文)」ってなってるし。
それにね、今は「かわいそかわいい」なんて言葉があるでしょ?
これって、完全に可愛いと可哀想が分離したからこそ出る概念だと思うんですよね。つまり意味が分かれている——可愛いにあったはずの哀れむ要素がほぼ排除されたと考えても、差し支えないと思います。
つまり「かわいそ(哀れみ)かわいい(愛しい)」と分離して使われているのが、メジャーな使い方となったということです。
さてここで戻りましょうか。
以上のことを踏まえた上で。
可愛げとはなにか。
私の考える可愛げはメジャーな、愛らしさを感じるという考えなんですよね。愛嬌があるというか、そういう感じです。プラスのイメージですね。
で。上司が使った可愛げは——あの場面での「可愛げがない」は、可愛いの可哀想の部分を強調された使い方ではないのかと思うのです。
たとえば上から目線だとか。
プライドが高いだとか。
分を弁えてないとか。
本来下の立場でいなければならない、つまり哀れみをかけられる立場でいなければならないのに、つけ上がっているという心理なのではないでしょうか?
あとこれは多少、私の偏見も含まれるとは思うのですが——可愛げって女性へ使う方が圧倒的に多いですよね。
可愛げがないというのは主に男性です。
多分上からジャッジしてる気でいますね。
可愛いといわれたら怒る男性いるでしょう?
合ってますよ、本来の意味ならね。可愛いというのも可哀いからなんで、女子供を哀れむ意味がありますからね。でもさぁいつの時代の話してんのそれ。カブトガニとかシーラカンスなのかもしれない。
まぁ年齢層上の方に多いんですけど、これはつまり、可愛いだとか可愛げというのは、哀れむべき対象に使う方が正しいというか——自分は従うのが好ましいという、もやっとした深層心理があるのではないかと考えます。
でもねぇ、そんな時代は終わっちゃったんですよ。言葉って変化するんです。
言葉は生き物で、辞書に反映されるのは成長が終わってからだけどさぁ。体感でわかるでしょ? 可愛げと言うのが下に見てるなんて、なに穿った見方してるんだと思うかもしれないけれど。実際語源的にもそうなんだもの。
あ、この「穿った」というのも誤用なんですけど(穿つは穴を開ける意味なので)、今なんか出版された本でも直してるもの少ないです。曲がったと混同されて変わったんですけど、メジャーになったらそっちが正しくなるのが言語の流れなんです。
まぁでも、下に見てる意識がなくても、哀れみの意味が元々ある可愛げを、そのように使うのは間違えではないんですよ?
ないんですけど——感覚や考えがアップデートされてない、つまり古いなぁと思うのは普通のことだと思うんですね。言葉の流れについていけてないってことですし。率直にいうとダサいぜ☆
そもそも可愛げがない、つまりそれは哀れみの対象ではないって意味で、逆らわず従えという意図だと思いますが。
下の立場のくせにってことだと思うんですけど、そして対等ではないから口を出すなってことだと思うんですけど。まぁあと、一部は女のくせに生意気だって意味がある気がするんですが(ド偏見☆)
人間なら誰でも意見言うと思うし。
哀れまれる筋合いもないし。
都合の良い奴隷になりたくもないし。
もちろん文脈や雰囲気、場の流れとかで印象は変わりますよ? 変わりますけれど……なんというか、可愛げとか使う人には一部注意した方がいい気がしますね。時代の流れに乗れてない人もいるので……。
今の流れ的に可愛げは、愛らしさの表現であるのが主流なんです。プラスの意味なんです。誰かを貶す言葉にするのって時代遅れなんですよ。
言葉は変わるものですので。
考え方も変えていきたいですね。
柔軟性って大事だと思います。
そして都合の良い理想を押し付けてくる人には、NOといえる強さを持っていきたいですね。愛嬌はあってもいいですけど、誰かの都合の良い人になってあげる必要はないですからね。
貶すより誰かを幸せにする言葉。
貶す人より愛してくれる人。
そういうのを選んでハッピーになろう!
相手にとって都合の悪いことを言うと、可愛げがないって言われることが多いかなって思います。
が、別にそういう、こちらと対話する気ない人と仲良くしたりご機嫌取ってあげる必要ってまずないですよね。
ていうか言い返せないから可愛げとかいう言葉に逃げるのですよ。ダメなところを指摘できるのならば、そこを指摘するのが普通です。相手を貶すような人なら尚更揚げ足は取りたいはずですしね。
それでも内面のダメ出しという抽象的で非効率な指摘へシフトするのは、言い返せず分が悪いからです。貶すことで自身のプライドと体裁を保つために、論点をずらしているにすぎません。
郷に入れば郷に従えとはいいますが、仕事の効率化も図れないのならばそんな郷は離れるか壊せと、可愛げのない過激派の民としては思います。そこが職場ならばどうせそこはブラックかパワハラなどの強制搾取があるのである。
ちなみに私は「赤ちゃんできたけど育休とって続けたい」という社員を、社長込みの話し合いで決まったという体で辞めさせた会社を見て目が覚めたよ!(※令和)




