表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99/130

83.王都を歩く

まあ、特に何も無く、朝はアネルマ様の相手をして、適当に王都を歩く。

暖かい気候のせいか、香辛料が多く、胡椒を見つけた時には小躍りしてしまった。

「そこの御仁」

声をかけられる俺。

見た目は婆さん。

「何だ、アーネ」

俺が言うと、

「うー、折角、上手く化けたと思っていたのに……」

 少し機嫌が悪くなる。

「魔力がお前だからな……。

 で、カミラの指示か?」

「カミラ姐さんもそうですが、残りの四人もです。

 悪い虫がつかないように……って。

 ミンクは、気にしていないみたいですね」

 アーネが笑う。

「俺、信用無いな……」

 愕然とする俺を見て。

「はい!」

 アーネは大きく頷いていた。


 それよりも、

「婆さんよりは、いつもの若いアーネで居ろ。

 せっかくの白い髪が台無しだ」

 というと、

「畏まりました」

通りの影に入ると、若々しいアーネに戻る。

ギリシャ風のローブのような服を着ていた。

「私服も似合うな」

俺が言うと、アーネが赤くなる。

「ついでに、血も吸いに来たんだろう?」

「エヘヘ、バレました?」

そう言うと、抱き付くようにして俺の首筋から血を吸った。

「ケインに仕えるようになってからはしていませんが、本来はこのあと男の精を奪います。

 そして、採り尽くした後、体を食べる」

「怖いなお前」

「血だけで満足だったんですが、最近は……」

「まあ、メイドに手を出す主人なんて当たり前のように居るらしいから、そのうちな」

俺の言葉を聞くと、アーネは黙って抱きしめる。

「ただ、俺を食うなよ」

「それはもう」

俺を見上げながらアーネは言う。


「ちなみにこれも悪い虫?」

アーネを指差すと、

「いいえ、カミラ様には、いいって言われています」

声が大きくなるアーネ。

「はいはい……」

「酷いなぁ……ケイン様」

アーネが拗ねながら呟いた。


「さてと、どうする?

 こっちに居るのならアーネもメルカド伯爵家の傭兵になるか?

 多分、俺の紹介なら、雇ってくれると思うが」

と聞くと、

「私は、影でフォローします。

 呼べばすぐに出られるような距離で……」

あくまでも影に徹するらしい。

「まあ、それでもいいが……」

ふと、悪い虫の事を思い出す。

「それじゃ、借家を借りろ。

 傭兵が女を作ってその家に行くなんてのは普通だろう?

 それこそ、いつ死ぬかもわからないんだ、貪るような気もするが?」

意味が分かったアーネが、

「はい、わかりました。

 カミラ様からお金はいただいているので、何とかなると思います。

 場所が決まりましたら、メルカド伯爵家のケイン様の所へ参りますね」

少し嬉しそうなアーネ。

ギュッと抱き付き、俺から離れると、アーネは去っていった。


カミラが居ないからか、ちょっと大胆だな。



再び市場を歩く俺。

これはターメリック、あれはクミン、おっとコリアンダー、そして唐辛子?

おお……、カレーが作れる。

コーヒーやカカオ豆を見つける。

ファルケ王国は南に領土が広いせいか、南国系の食べ物が多いのかもしれない。

ってことは……。

他にもいろいろ探しながら歩けば、見たことがある俵。

俵を広げて見せていた中身は……見まごうこと無き米。

おー、米だよ!

それも、インディカ米だけではなく、ジャポニカ米までも。

玄米っぽいのと籾まである

おぉ……これでカレーライスが……。


ニコニコしながら、必要な物を買い込む。

それも俵でだ。

金を払って、収納魔法で仕舞った。

屋台の主人はホクホク顔だった。

ま、俺もホクホクである。

アーネが家を借りたら、そこで作ってみるかな。


予約設定を忘れていました。

遅くなりすみません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ