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71匹目 双子ちゃん

 

 ログインしました……。昨日は全力で砂漠に駆け込んだのに出迎えてくれたのはアリの大群だけだった。


 マニアワナカッタ……


 んで、そのまま戦う気も失せてログアウト。

 今日は起きてからちろっと宿題をやってからのログインだな。大体10時くらい。

 にしても、自由課題どうしようかな~。ボーパルの観察日記とか?


 7/24 今日は大きなアリを蹴り殺しました。かわいかったです。

 7/25 今日はイノシシを蹴り殺しました。かわいかったです。

 7/26 今日は動く木を蹴り殺しました。かわいかったです。


 うん。何かいろいろダメな気がする。


 まぁ自由課題については最終日までに考えておけばいいとして、今日はとりあえず街を回ろうか。ぼたん鍋とか杖とか船とか鎧とかがどうなったのか確認するの忘れていたし、麻痺治しも欲しいからな。フレンドリーファイヤの確率が高いのに回復の保険も無しとか嫌だしな。


 -------------------------------------


「リアさん。おはよーございます」

「きゅい!」

「ホー!」

「メェェ」

「~~!」

「……にゃぁ」


 さいしょにやってきたのはリアさんの所だな。トレントの木材をレン君が大人買いしてくれたおかげで今は所持金にゆとりがあるけどこのお金は完成した船を買うのに必要なものだ。なるべく手を付けたくは無い。


「あら、おはようございます。ユウ君広場の方から来たけど、ここまで来るの大変だったんじゃない?」


 リアさんが言ってるのは広場周りの謎の渋滞についてだろう。

 今までは闘技大会か初日ぐらいしか混雑していなかった始まりの街が何故か広場周りだけ人口密度が半端なかった。ボーパル達の召喚をあきらめた程だ。あれはいったい何だったのやら……。


「あれはね。みんな教会に向かってるのよ」


「教会?」


 そんなものあったっけ?ヤバイ。俺、基本的に始まりの街は同じルートしか回らないから全然街の事知らないぞ!


「ええ。なんでも回復魔法を取得できるようになるクエストが見つかったらしくて沢山のプレイヤーが集まっているみたいね。ほら、次のイベントでは沢山のモンスターと戦うらしいでしょ?前衛職でも回復魔法は欲しいみたいよ。まぁ私は使い道が無いからいいんだけどね」


「ほへぇ~」


 俺も回復魔法は欲しいところだけどあの人ごみに再突撃する気はないなぁ。まぁ2、3日もすれば落ち着くだろうからそれからゆっくり取りに行けばいいか。


 ……ん?待てよ?広場に沢山のプレイヤーが集まってるって事は。


「……山に居るプレイヤーが減ってる?」


「?それは減っているでしょうね。もう回復魔法を取得したプレイヤーや、後回しにしたプレイヤーは残ってるでしょうけど、大体はここにいると思うわよ?」


 マジか。よし、予定変更。今日は街でのあれこれが終ったら山に行こう。確か2時くらいに夜に変わるはずだからそれまで山の第二層にいようかな。


「情報ありがとうございます。助かりました。それで、えーと……ん?何のためにリアさんの所に来たんだっけ?」


「もう。イノシシの肉の買取でしょう?後は、ボタン鍋の受け取りと、アイギスちゃんの鎧の作成状況の確認でしょ?」


 あ、イノシシ肉の買取に関しては完全に忘れてた。そういえばそんなのもあったなぁ。


「それじゃあ、1つずつやっていくわよ。まずはイノシシの肉の買取からね……」


 てなわけでイノシシの肉と引き換えにレン君に売った木材を軽く上回る程のお金とボタン鍋を手に入れた。やったぜ。

 ボタン鍋に関しては試行錯誤の過程でスキルレベルが4つも上がったとリアさんも喜んでいたので追加で上肉と特上肉を渡しておいた。若干頬がピクピクしていたのは喜びからだろう。という事にしておいた。


「えーと、後アイギスちゃんの鎧は……あ、丁度いいところに来たわね」


「「リーアさん♪」」


「おぉ?」


 屋台の影からピョコン、ピョコンと小さな頭が生えてきた。

 突然生えてきた2つの頭はそれぞれ頭の右側と左側で髪を結んでいること以外は全く同じかわいらしい顔をしている。双子かな?いやでもちょっと似すぎだな。NPCかな?


「ヤギさんの鎧」「持ってきたよー!」


「あら、ありがとう。丁度良い時に来たわね。あそこに居るアイギスちゃんがこの鎧を装備するのよ」


「わー、ヤギさんだー」「わー、もふもふだー」


「メェエエ」


 突然現れた双子の少女はリアさんに鎧を渡すと、アイギスに向かってたたたーっと走っていってヒシッと抱きついている。まぁ気持ちは分からんでもない。もふもふな生き物がいたら抱きつきたくなるよね。


「鳴いたね?」「鳴いたよ?」


「メェ」


「かわいいね」「もふもふだね」


 2人の少女に抱きつかれてアイギスは迷惑そうな顔をしつつも振りほどこうとはしていない事からもそこまで嫌ではなさそうだし放置でいいか。


「ふふっ。はいユウ君。これがアイギスちゃん用の鎧ね」


【防具:鎧】ヤギの魔鉄鎧 レア度2

 防御力+40 重量4 耐久値300

 魔鉄を使って作られたヤギようの特注鎧

 素材に魔鉄を使用しており魔法抵抗がある

【効果】

 魔法抵抗:小


「おー、ありがとうございます。じゃ、さっそくアイギスに着けてみますね」


 サイズは違っていてもピッタリになるからあわせる必要はないんだが一応な。


「おー、ウサギさん。もふもふー」「おー、フクロウさん。もふもふー」


「きゅい~」

「ホ~」


 くるりと振り返った先ではアイギスからボーパルとミズキにターゲットを移した双子ちゃんがそれぞれを胸に抱えるようにして撫で回している。


「えーっと、それよりも先に2人の紹介をしてもらえると嬉しいんですけど……」


「あら、そうだったわね。あの2人はミヤとヒナ。右で髪を結んでいるほうがミヤで左で髪を結んでいるほうがヒナね。2人とも鍛冶師(スミス)で私のリアルでの知り合いなのよ。ほら。2人とも挨拶なさい」


「「はーい」」


 返事をした2人はパッとボーパルとミズキを離すと俺の方を向く。うん。見れば見るほどそっくりな上に声まで同じと来たものだ。髪を解かれたら見分けが付けられない自信があるな。


「ミヤでーす!」「ヒナでーす!」


「「よろしく!」」


 俺の方を向いた2人は互いに髪を結んでいない方の手を結び、反対側の手を上げながら挨拶をする。


「おう。俺はサモナーのユウだ。アイギスの鎧を作ってくれたんだよな?ありがとう」


「お仕事だからねー」「お礼にもふらせてー」


 と言うやいなや二人揃ってクルッと振り返るとボーパル達の捕獲に目を輝かせて飛び出していった。

 あー、うん。アイギスさえ残してくれれば別にいいんだけどね。


「ふふっ、あれでも腕は確かだから金属製の物が必要になったら頼むといいわよ?」


「むー、あれでもって何よー!」「ぶー、私達はすごいんだからねー!」


「はいはい。分かってるわよ」


 むくれつつもボーパルとミズキを抱えてスリスリするのをやめない双子の少女は俺とフレンド登録をしたらそのままボーパルとミズキをお持ち帰りしてしまった。

 召喚術のレベルが上がって範囲が広がってきたとはいえ、俺から離れすぎたら送還されるんだが……あ、消えたな。

 まぁいいか。次はレン君の所に行ってトレントの杖と船の進捗を確認してこようかな。


もふもふ!

誤字脱字ありましたら感想のほうへお願いします。


最近本文よりも後書きに対する感想の方が多いような気がする件・・・

みんな本文見てる!?実は後書きを読んで満足したりしてない!?

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