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149匹目 イタズラ

話が微塵も進まないのは何でだろう・・・

 

「モゴ!?フゴゥ!!」


 魅了状態は夢の中で勝手に動く自分を外から見ているような。そんな感じだった。

 確かに感覚は俺の体のそのままなのに、体の操作権だけを奪われたようなそんな感じ。というかそのまんまだな。

 視界にはピンクのチョウチョしか映らず、吸い寄せられる様にふらふらと進んでいた俺は、急に全身を締め上げられて簀巻き状態で地面に転がされた。


 おそらく勝手に動かない様に縛られたんだろうな。

 わけも分からず味方を攻撃したりはしないが、防御も回避も出来ない状態で敵のもとへ歩いていってるんだから縛ってでも止めるべきだしな。


 それから殆ど間を置かずに恐らくティーニャの攻撃だと思われる爆撃の音が響き、体の操作権は戻ったんだが……簀巻きが解除されてないから動けん。


「フゴメヘー!」


 何故か口まで鎖が巻きついているのでまともに助けも呼べずにびっちびっちと陸に打ち上げられた魚の様にのた打ち回る。

 フィアちゃんはなんかぶつぶつ言っててトリップしてるから、誰でもいいから助けてー!具体的にはミズキあたり!


「~~~♪」

「フーミャ!フゴメヘー!」


 のたうち回りながら辺りを見回したが、ボーパルとミズキはまだ残党処理中で、アイギスは寝てた。

 だから必然。俺の呼びかけに答えて助けに来れるのはティーニャだけなんだが……


 ……ティーニャかぁ~。縛られて動けないたいして危険の無い状況でティーニャかぁ~……


 ……満面の笑みで近づいてくるんだけど助けに来てくれたんだよね?ね?


「~~~!」

「ふみゃっ!?」


 心からのよい(わるい)笑顔で俺の上空をクルクルと旋回して、舐めるように俺の全身を俯瞰していたティーニャが狙いを定めたように急降下していくのが視界の端に映った瞬間。赤緒の下駄を履いている足の甲にピタっと張り付く人肌の物体が……


「もにゃっ!」

「~~~♪」


 俺の足の甲に抱きつくように張り付いたティーニャがよじよじと足先の方へ木を上る様に移動しながら鼻緒を掴んで下駄を脱がせてくる。


 てぃ、ティーニャさん……?そこに鎖はありませんよ……?

 無理に振りほどいてもいいんだけど、下手に暴れてティーニャを下敷きにしてしまったら紙装甲のティーニャはスプッラタな事になってしまうし……


「~~~♡」

「モフッ!?フーミャ!モゴイ!」


 俺の下駄を完全に脱がせたティーニャは、満を持して俺の足の裏に逆さまに浮遊して指をわきわきとさせると、俺の小指よりも細い腕を俺の足の裏へと伸ばし、その腕よりも更に細い指でさらりと俺の足の裏を撫でてきた。


「モゴッ!?」

「~~~~♪」


 俺はくすぐりに特別弱い訳では無いが、それでも足の裏を触れるか触れないかの距離でさわさわと撫でられればくすぐったいのは当然だ。それも自分よりも遥かに小さな指で悪意をもって触られれば結果は火を見るよりも明らかだ。


「~~~!……~♪」

「フモッ!フゴ……フモッ!」


 ティーニャが緩急をつけるように、こちょこちょさわさわと足の裏をなぞったかと思うと、急に体全体で俺の足に抱きついてそのまま上下に動いて衣擦れで擦ってきたり、リトルエンジェルに進化して羽毛の様になった翼の先端で優しくなぞってきたりする。

 くすぐったくて、痒くて、暴れまわりたくなるが、今暴れたらティーニャを蹴り飛ばしてしまうかもしれないから我慢するしかない。

 俺の葛藤はティーニャも理解しているのか、時々プルプルと震える俺の体や顔を見に来て、すごく楽しそうな顔でくすぐりに戻っている。


 あんにゃろ……自由になったら鷲掴みにしてそのまま揉みしだいてやる!絶対にだ!


「~~~……~~~!!」

「モガッ!?」


 何度か俺の顔を見に来つつ、色んな方法で刺激を与えて俺の反応を楽しんでいたティーニャだが、直に刺激に慣れてきた俺の反応が薄くなってくると、ちょこっと考える素振りをした後、にやぁ~っと楽しそうに口角を吊り上げて、頭から飛び込むようにスカートの隙間から服の隙間に入ってきた。


「~~~!」

「ひゅっ!……モヒッ!」


 鎖で縛られている狭い隙間をむりむりと体を捻って押し込みながら入り込んで来るティーニャに、さっきよりもさらに動くわけにはいか無くなった俺は、縦横無尽にもぞもぞと動きながら這いよってくる感触に背筋をゾクゾクと震わせつつも動かないように必死に耐える。


 もふもふの翼がさぁ!ツツツ~と胸をなぞってくるんだよぉ!

 直に肌に触れる小さくて柔らかな手はペタペタと俺の腹のあちこちを這いまわって、時々撫で回すように円運動をするし、金糸の様にサラサラで1本1本は目に見えないほど細いティーニャの髪が、鎖に潜り込むために体を捻る度に俺の肌を撫で回していく。


「モヤァ!?」

「~~~♡」


 てぃ、ティーニャさん!?お、おへそに腕突っ込んじゃらめぇええええ!!


「きゅい?」

「……!もごふっ!ふもー!」


 身を捩れない苦しみに呻いている俺の顔の近くへと残党を殲滅したボーパルが不思議そうな顔でぴょこぴょこと近づいてくる。

 神様仏様ボーパル様!ボーパルが今までに無いほど神がかって見えるぜ……!


「むごご!もご!もっご!」

「きゅい?……きゅい!」


 助けてくれ!鎖をなんとかしてくれ!と目線で頼むと、しばらく首を捻っていたボーパルは俺の服の中でもぞもぞと這い回るティーニャを発見し、大きく頷いて「あたちに任せろ!」と言わんばかりの表情をしている。

 流石ボーパルだよなぁ!神だよなぁ!


「きゅいー!」


 と叫んで俺の首元へと飛び乗ったボーパルは、俺の体を縛る鎖を持ち上げ……そのまま俺の服の中へと頭から入っていった……

 ってボーパルさん!?何やってんの!?さっき「任せろ!」みたいな顔してたじゃん!何を任せられるつもりだったの!?

 って、あぁ……ティーニャか。ティーニャが邪魔みたいだから追い出そうと。

 うん。目的は間違って無いよ?でも手段がおかしい!悪化してる!状況がさらに悪化してるから!


「きゅいー!」

「~~~♪」

「ふごー……ふごー……」(ビクンビクン)


 追跡者が現れた事でさっきにも増してカサカサと服の中を這い回るティーニャと、鎖の拘束を持ち前の筋力で強引に突破しながら、匍匐前進で進むボーパルの短く柔らかい毛がふわふわと撫で回す感触にいよいよ呼吸までおかしくなってきた俺の元へ眠そうに大あくびをするアイギスを引き連れたミズキがやってきた。


「ホー?」

「メェエ~」


 アイギスは放置するとして、俺達の所に飛んできたミズキは、立ち尽くしてブツブツと何かを呟いているフィアちゃんと、フィアちゃんの足元で鎖でグルグル巻きにされてビクンビクンしてる俺と、俺の服の中でもぞもぞと動き回っている2つの物体を見て首を傾げている。


 確かにカオスな状況だ!でも気付いて!俺の口を塞いでいる鎖を退けてくれれば大体解決するから!


「もごー!」

「きゅい!きゅい!」

「~~~!」


「ホー?」


 ぴょんぴょんと跳ねながら俺の近くに寄ってきたミズキはしきりに首を捻っている。

 そんなに考える必要あるかなぁ!?ミズキにまでボーパルの後を追われたら俺の体が耐え切れなくなる!もふもふとぷにぷにの飽和攻撃に轟沈されちゃう!


 ……って、ミズキ!お前絶対状況を正しく認識してるだろ!認識した上でここはボーパルに続く空気なのかを考えてるだろ!なんとなくそんな顔してる気がする!

 乗らなくていいから!空気読まなくていいから!助けて!


「ホー……ホー!」

「モフガッ!?」

「きゅい~」

「~~~!~~~♪」


 悩んだ結果。

 頭からドーン!身動き取れなくてジタバタ。もふもふ。ビックンビックン。

 ちょっ!脇腹くすぐるの反則!あっ!誰だ今お腹舐めた奴!こらっ!おへそは弄るなと言ってるでしょうが!

 って、もう!3匹共絶対楽しんでるだろ!当初の目的忘れて探検気分で遊んでるだろ!


「きゅい~♪」

「ホー!」

「~~~♡」


「モゴゥ……」


 俺の受難はフィアちゃんがこっちの世界に帰ってくるまでしばらく続いた。

 鎖から解放された俺は、全力で運動をした直後の様にゼーゼーと荒い呼吸を繰り返し、五体投地の状態からしばらくは復帰できなかった。

 ふふふ……この借りは返すぜ……倍返しだ!覚えてろよ5人共……泣いて謝ってももふもふしてやるからな!!


もふもふ!

誤字脱字ありましたら感想のほうへお願いします。


今回微妙にエロチックな雰囲気に・・・いや、気のせい気のせい。男の子が小動物にくすぐられてるだけだから。超健全空間だから。媒体が違ってても問題ないから。

”ウサギダンジョン”の方に比べれば微塵も問題ないから。いいね?

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