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彗星に願いをこめて  作者: 姫
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香蓮の恋愛事情2

もうすぐ夏休みが終わる。

香蓮は珍しく一人で暇をしていた。

真央はバイト始めちゃったし、巴菜は地元の友達と遊んでるし、彩華は彼氏と一緒だし、

なんか暇だなー…わたしもバイトしようかな。

テレビをつけてダラダラしようとしたら、スマホの着信音が鳴りだした。

誰だろ?遊びの誘いかな?

浮かれながら画面を見たら佑太の名前が表示されていた。

佑太とはあの件以来、一回も連絡を取ってなかったので緊張して、手が少し汗ばんでいた。

「もしもし…」

「久しぶり…だね」

「そうだね…」

お互いがどことなくたどたどしい。

「あのさ…今から会えない?2人きりで」

「いいけど…」

「じゃあ1時間後に駅前で」

「わかった」

通話を切ってから緊張が高まってくる。

おしまい?それとも?

あまり気合を入れていくのもおかしいので、Tシャツにデニム、

そしてすっぴんで行くことにした。

それでも鏡で姿だけはチェックする。

おかしくないよね…うん!

手で少し髪を直してから駅前に向かった。

駅に近づくにつれ、緊張が増してくる。

あー…もうすぐ着いちゃう…

すると、視界に佑太が入ってくる。

佑太は香蓮に気づき、こっちに近づいてきた。

「久しぶり…」

電話と同じことを言っている。

佑太も緊張しているのか、それとも気まずいのか、前のように笑顔ではない。

「ちょっと歩こうか」

「うん…」

まだ暑いが2人はなんとなく歩き始め、公園へ向かっていた。

「話があるから…呼んだんだよね?」

「あ、うん…ちょっと座ろうか」

ちょうど日陰になっているベンチがあったので、2人並んでそこに座った。

日陰だったおかげか、ベンチは夏なのに少しひんやりしていた。

「創の件だけど…ごめんね。いろいろ考えたけど…やっぱりあいつが間違ってたよ」

「そう思ってくれたならいいよ。こっちも少し言い過ぎたかなって思ってから…」

「ううん、そんなことはない。真央ちゃんに電話してキレられた話を聞いたときは、さすがに俺も創にキレたよ。あいつバカすぎるんだよな、本当に。真央ちゃんにも悪いことしちゃったなって後悔してる、謝っといてくれる?」

「うん、伝えておく」

「創も悪いやつじゃないんだけどさ、どうも女の子に対してのアプローチが下手で」

佑太はずっと創の話しかしてこない。

正直、そんな話はどうでもよかった。

香蓮が聞きたいのは、これからのことだ。

「ねえ、話って創くんのこと?」

「あっ…いや…」

佑太が急に眼を逸らしてあたふたしだしたので、香蓮は確信した。

けど、これは佑太の口からちゃんと聞きたい。

「じゃあ何?」

「あ、うん…」

佑太は一息ついてから、香蓮のことをジッと見てきた。

香蓮もドキドキが高まってくる。

「あれからずっと香蓮ちゃんと連絡しなくて…かなり寂しかったしつまんなかった。それでやっと自分の気持ちに自信が持てたんだ。俺…香蓮ちゃんが好きだ!付き合ってください!」

嬉しさと恥ずかしさがこみ上げてくる。

香蓮は笑顔で佑太に返事をした。

「うん!」

その返事を聞いて、佑太の顔がパァっと明るくなる。

「よかった!創のことで嫌われちゃったかって不安だったんだよ」

「それとこれは別だから。まったく…気にしすぎ!」

「そうだけどさぁ…創のせいで」

「もう創くんの話はいいよ。わたしは佑太くんとこれからの話をしたい」

「そう…だね!今度さ、映画でも行こうよ」

「いいけどラブコメじゃないと嫌だよ」

「ラブコメかぁ…」

「嫌なの?」

「い、嫌じゃないよ!」

ちょっと押され気味な佑太。

なんとなく香蓮が引っ張っていきそうな感じだが、2人とも初々しくて楽しそうだった。

その日の夜に、真央のところに行って話したことはわかりきっているので省かせてもらう。

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