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彗星に願いをこめて  作者: 姫
25/122

真相は…

ごめんなさい、毎日投稿する予定だったのに、読書に夢中になってしまい、

気が付いたら日を跨いでしまいました。


なにをやっているんだ、俺は…相手は真央だぞ…

真央にまで緊張してどうするんだ!

チラッと振り向くと真央は足を止めてジッと見ていた。

「なんで避けるの?」

真央が突然質問をしてくる。

女が苦手だから…とは言えなかった。

しかも見てみると、女の子らしい髪型になっている。

服装も女の子だ、やっぱり真央でも無理だ…

「俺が女になったから?だから避けてるの?龍弥は俺が男じゃないとダメ?」

真央の目には薄っすらと涙が溜まっていた。

泣いてる…やっぱり真央はもう女だ…男ならこんなことで泣いたりしない…

正面を向いて歩き始めようとする。

すると真央が叫んだ。

「龍弥のバカやろう!お前なんて大っ嫌いだ!!もう友達でもなんでもない」

友達でもなんでもない、という言葉が胸に刺さる。

あいつは俺のことを今でも友達と思ってくれていたのか…

いつまで逃げてるんだ俺は…

自分自身が情けなくなってくる。

くそ!

龍弥は振り向いて真央に近づいた。

「俺はな!」

そこまで言って真央を見た。

涙を溜めている小柄な女の子が目の前にいる。

言葉が続かない…ああ!なんで俺はこうなんだ!!

「俺はなんだよ、言ってよ!男だろ!!」

2人のやり取りを通行人がチラチラと見ている。

傍から見ると、まるで告白のような感じだからだ。

それに真央も龍弥も気づいていない。

そうだ、俺は男なんだ!言え、言え、言うんだ!

龍弥は声を振り絞る様に話した。

「お、女と話すのが苦手なんだよ…」

「へ??」

真央がキョトンとした顔をしている。

そして「ぷっ」と噴き出して爆笑しはじめた。


「あはははは!なんだそれ、そんな理由で避けてたの?」

「わ、笑うんじゃねーよ…俺は真剣に悩んでるんだから…」

「ごめんごめん」

真央は笑いながら涙を拭いていた。

「てっきり俺が女になって、女の俺は友達じゃないと思って避けてるのかと思ってたよ」

「と、友達じゃないとは思ってないけど…話すのは無理だと思った…」

たどたどしい話し方はそういうことだったんだ、今もたどたどしいし。

チラッと龍弥を見て、目が合うとすぐに逸らしてくる。

それがたまらなく面白かった。

「龍弥」

わざと近づいて顔を覗き込む。

「な、なんだよ…」

慌てて逸らしているので、また笑ってしまった。

「い、いい加減にしろよ!」

「あははは。けど龍弥は俺のこと女として見てるんだ?」

「女としてって…女じゃねーか…その服も、髪型も…それに中身だって…」

「そうだよね…なんか最近考え方とか感じ方も変わってきたって自覚してるんだ。女の服なんて着たくなかったはずなのに、今はかわいい服いいなって思っちゃったり、メイクなんてしたくなかったはずなのにコスメ買っちゃったり、男と話しているよりも香蓮や巴菜たちと話してるほうが楽しかったり…」

「だろうな…見ててそれはわかるよ…」

けど…

「けど、俺たちは友達だよね」

「ああ…友達だよ…」

それが確認できただけでも満足だ。

性別が変わってしまっても、友達は友達だ。

「これからは避けないように、わかった?」

「あ、ああ…」

龍弥…本当に女が苦手なんだな

「よし、俺が龍弥の女が苦手っていうのを直してあげるか!これからは学校で話しかけるから覚悟してね」

「あ、いや…それは…」

「はい、決まり!じゃあ学校でね」

真央は手を振って龍弥と別れた。

なんかさっきの俺、香蓮や巴菜みたいだったな…うつったかな?

それでもモヤモヤが晴れてスッキリした気分だった。


「へー、木谷ってそれで真央のこと避けてたんだ。今どき珍しいね、女が苦手って」

「ね、全然知らなかったからビックリしちゃったよ」

その日の夜、真央はいつも通り香蓮の家にいた。

最近の真央と香蓮は、お互いの家の行き来は半々くらいになっていた。

「まあ、知っちゃった以上は克服させてあげないとって思ってるけどね」

「優しいんだね」

「友達だからね」

「ホントにそれだけ?」

「なにが?」

「そこから恋に発展とか…」

香蓮がニヤニヤしている。

「香蓮、怒るよ」

「だって友達から恋に発展することだってあるじゃん」

「ない!龍弥に限ってそれはない!」

「じゃあ誰ならあるの?」

「誰もない!そもそも男に恋をしない!」

「じゃあ女に恋するの?女なのに」

「そういうことじゃなくて!」

香蓮はずっとニヤニヤしてる。

絶対にからかってるな、くそー!

「香蓮こそ、いい加減に彼氏作ったら?」

「だってぇ…うちの学校いい人いないんだもん。だから彩華に頼んでるんだけどね、誰か紹介してって」

「え、そうなの?」

あまりにもリアルに言うから驚いてしまった。

「今度彩華に真央の相手も紹介してもらうように頼んでおくよ」

「だからいいってば!」

どうも香蓮のほうが上手だ。

「えー、真央とダブルデートとかしたいのに」

「それは巴菜とやって。俺はいい」

「そんな髪型して、ビスチェなんか着て「俺」って言葉おかしいから。「わたしも彼氏ほしい」っていうほうが合ってるよ」

意地でも言わせたいんだな…よし、わざと言ってからかうか!

いや、待って!こないだそれで失敗してメイクをさせられたんだ…

あやうく同じミスを犯すところだった。

「絶対に言わないからね!もうこの話はおしまい」

「やだ、真央と恋バナしたいんだもん」

「2人とも恋してないから恋バナじゃないじゃん」

「確かに!」

そういって2人でケラケラ笑いあっていた。


月曜日、巴菜に髪型がかわいいと言われ、少し上機嫌のまま教室に入った。

少しすると龍弥が教室に入ってくる。

「おはよう、龍弥!」

「あ、ああ…」

今の龍弥にはこれが精いっぱいの返答だ。

真央はそれがわかっているので、笑顔だった。

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