間話 乙女心
『あ〜恋がしたい』
これが私の気持ち。
不謹慎かもしれないけどこれが本音。
だって、お父様とお母様が死んじゃって悲しい事ばっかが、続いているし、やっぱ人生明るい事がないと。
近くでは、アリィお姉様とシャーリーお姉様が幸せそうにしているし、そんな気持ちになっても仕方ないと思うのよ。
それにあの世のお父様とお母様に花嫁姿を見せたいし。
お父様とお母様もきっと私の幸せを願ってくれているはず。
「はぁ〜……」
「ん? どうしたソニン?」
「い、いや、なんでもありません」
「そうか」
お兄様は私が恋したいって言ったらどうするだろうか?
私が結婚するって言ったらどうするだろうか?
「お兄様……?」
「ん? なんだ?」
「あ、あのですよ? 万が一……将来、私が恋がしたいとか結婚したいって言ったらどうします?」
あっ、言っちゃった!!
どうしよう!?
「……そうだな。俺は恋とか愛とかそう言うのは分からない。でも、お互いを支え合える相手というのは悪くない。人は一人では困難でも支え合う事で乗り越えられる事もある。それに、一生をかけて相手の事を考えられる相手というのは早々いまい。もし、ソニンがそういう奴を見つけてきたら俺はそいつを認めるだろう」
お兄様……。
やっぱりお兄様はかっこいいです!
「まぁ、そいつが頼りなかったり、俺より弱かったら叩き直してやるがな」
お兄様は悪い微笑みをしています。
あのロイお兄様と同じような。
でも、そうです!
こんなに近くにかっこいいお兄様がいるのだから、お兄様を超える存在でないといけません!
「お兄様……ありがとうございます!」
「ん?? どうした?」
「なんでもありません!」
私はお兄様の腕を取り、腕を組んだ。
そうです。
焦る必要はありません。
お兄様を超える存在が私の目の前に、現れるまでゆっくり待ちましょう。
……でも、逆にお兄様に素敵な人が現れたら。
……その時は私が見定めてあげましょう!




