間話 デート
「急に出て行っちゃったからビックリしたよ」
俺は今シャーリーとデート(?)中である。
というのも、明日の討伐隊参加に向けて必要な物の買い出しとなったんだけど、俺が荷物を持つというか異空間に収納するから俺が買い出し班、そしてお目付役にシャーリーという風にアリィが勝手に決めた。
おそらく……いや、確実にわざとだけど今回は許そうと思う。
なぜなら、俺も嬉しいからだ。
おおかた、食材等の買い出しも終わり、後は夕方にロイ達が宿屋に帰ってくるまで特に予定もない。
ちなみに後の四人は街を散策しながらゴルゴーラ教について聞いて回るらしい。
だから、今はシャーリーと二人、街を散策しながらゴルゴーラ教について聞いて回っている。
名前を知っている人は何人かいたけど、特に詳しくも知らず、ゴルゴーラ教は表立って、目立った事はしてないようだ。
「ゴメンゴメン! せっかくギルド長に会えたんだからゴルゴーラ教について聞いてみようと思って」
「そうだね、確かにギルド長さんだったらいろんな事知ってるもんね」
ギルドは世界中にある為、いろんな情報が集まり、各ギルドで情報を共有している。
だから、ゴルゴーラ教の事も分かると思ったんだけど……。
「まぁ、分からないものは仕方ない! ゴルゴーラ教の事はロイ達が聞いて回るって言ってたし、俺たちは明日の討伐に向けての買い出しを頑張ろうか」
「そだね! 私が頑張らないとこの街に被害が出るかもしれないもんね!」
シャーリーは両手を握りしめ、気合い表す。
……やっぱりシャーリー可愛いな。
俺はそんな姿を見ながら自分の彼女に見惚れていた。
「ハル君、どうしたの?」
「い、いや、何でもない! それよりシャーリーお腹空かないか?」
「うーん、確かにちょっと空いたかも」
シャーリーはお腹を押さえながら言う。
……やばい。
俺はどんなシャーリーの仕草でも可愛く見えてしまう!
「じ、じゃぁ何か食べようか?」
「うん! ハル君のおごり?」
シャーリーは微笑みながら俺に聞いてくる。
冗談で言ったんだろうけど俺はシャーリーの為なら何でも買います!
「もちろん! 何食べたい?」
「えっ? 冗談で言ったんだけど……」
「いいからいいから! 今日はおごるし行こう!」
俺はそう言ってシャーリーの手を引っ張る。
……あっ!
ヤバイ!
また、やってしまった!
「ぅ、ぅん」
シャーリーは恥ずかしそうに返事する。
ここまできたら……。
「もう俺たち付き合ってるだろ? 行こう!」
俺はそう言ってしっかり手を握り直す。
我ながら末恐ろしい行動だ。
鼓動が早くなり、手に汗をかきそうだ。
止まれ止まれ、俺の鼓動と汗よ!
あっ、鼓動は止まったら死んじゃうからほどほどに遅くなれ!
「……ぅん!」
俺が心で念じている間にシャーリーは手を繋ぎ返してくれた。
良かった!
どうなんだろう?
俺とシャーリーの距離はちょっとずつ縮まっているのかな?
そんな事を考えながら、俺とシャーリーは手を繋いで食事に向かった。




