第四百六十五話 邪神アポフィス
何がっ!?
「ハル君!!」
「っ!? シャーリーッ!?」
何が起きたのか、状況を把握しようと振り返るより先に俺はシャーリーに突き飛ばされる。
そして、シャーリーを見るとシャーリーの肩を何が貫通していた。
いったい何が……っ!?
辺りを見るとシャーリーとロイだけじゃない。ウィルやルル、ラートやソニン、アリィまでも何かにやられて口から血を流している。
『クククッ、ヤット自由ニナレタ』
「誰だ!?」
頭に響くような声が聞こえ、振り返るとそこに黒い霧が集まり、ドラゴンのような形を形成していた。
『我ガ名ハアポフィス、邪神アポフィスダ』
「邪神アポフィス!? そんな馬鹿な……」
邪神アポフィスはゴルゾーラと一緒にロイ達と精霊の攻撃で消えたはずじゃ……。
『我ヲ利用シヨウトシタ器ガ消エ、ヤット自由ニナレタ。コレヨリ我ガコノ世界ノ神ダ』
「何を言っている!? そんなのは許さない!!」
『許サナサイ? オマエ一人デ何ガ出来ル? 神二勝トウ等無理ナ話。オマエモソコノ虫ケラ達同様ニ殺シテヤル』
みんなを見る限りまだ息はありそうだけど、軽傷って訳じゃない。
早く治療しないといけないだろう。
でも、こいつがそれを許してくれそうにない。
「みんな少し待っててくれ……」
こいつは絶対許さない!
俺は必ずみんなとこの世界を守る!




