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第四百六十一話 ゴルゾーラとの戦い その13
「っ!?」
「ハル君!?」
ゴルゾーラが叫んだ瞬間、ゴルゾーラの元から今まで見た事ない猛スピードで漆黒の矢が俺に向かって飛んでくる。
やばい、間に合わない!?
俺は咄嗟の事で反応出来ずというか、予想を超えるスピードに対応ができない。
くそっ!
「っ……!?」
俺は一瞬死を覚悟し、目を瞑ったけど、訪れる衝撃が来なくて目を開ける。
すると、目の前にはクロードの背中が見えた。
「クロード!?」
俺が叫ぶ中、クロードはゆっくりと崩れ落ちる。
「おい、しっかりしろ!!」
俺はクロードの元へ行き声をかける。
その光景を見たシャーリーはクロードを俺に任せる判断をしたのか、ゴルゾーラをけん制する為水虎で応戦している。
「くっ……」
クロードは呻き声を上げ、苦悶の表情を浮かべる。
治癒魔法を……いや、魔人化している人間に治癒魔法はダメだ。
くそ、どうしたらいい……?
「なにを……して……いる……」
俺がどうすべきか迷っていると、クロードは声を振り絞るようにして俺に言葉をかけてきた。




