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第四十七話 ドキドキの展開です

 「……ハル君は私の事どう思ってるの?」


 俺は今バルコニーでシャーリーに抱きつかれている。

 なぜこんな状況になっているかというと……。


 時は遡る。

 乾杯して俺の誕生日パーティが始まるとみんな無礼講の如く食べて飲んで騒いでいた。

 ちなみにお酒はシャーリーのお兄さん、リチャードさんからの差し入れで大量に送られて来ていた。

 リチャードさんも俺の誕生日を祝福してくれているみたいだ。

 まぁそんな感じで飲みまくっていたから当然みんな酔っぱらった。


 アレク兄さんがセフィ姉さんに『あ〜ん』してもらっているのを見てアリィがロイに、

 「私にもあ〜んして?」

 とか言って甘え出した。


 ロイは俺の前だから絶対嫌がるだろうなと思ってたけどお構いなし『あ〜ん』してあげてた。


 むしろ俺に、

 「ハル、男なら好きな子の期待に応えなくてはいけない! だいたいなぁ〜……」

 とロイに説教されてしまった。


 俺は言い返す事が出来なかった。

 でも、まさかロイに恋について語られるとは……お酒飲むとロイは性格変わるな。

 ちなみに、この後この話を何度も聞く事になる。


 ロイのお父さんとお母さんも楽しそうにしてるし他の人達も楽しそうだった。


 ロイのお父さんもアレク兄さんやロイ達を見てお母さんに『あ〜ん』してもらおうとしてたけどお母さんに、

 「国王なら時と場所をわきまえなさい!」

 と言われほっぺを摘まれていた。


 ロイのお父さんは怒られてショックを受けてたけど、時と場所をわきまえたら大丈夫って意味だと思う。

 果たしてそれにロイのお父さんが気付いてるかどうか……。

 だから、決してロイのお父さんとお母さんが仲悪い訳じゃなくて、むしろあの言い方だと仲良いんだろう。

 もしかしたら、ロイがお兄さんになる日が来るのかもしれない。


 まぁ、そんなこんなで盛り上がったパーティーも22時を過ぎたくらいからロイのお父さん、お母さん、アレク兄さん、セフィ姉さん、他の人達は明日があるからって言って部屋に戻って行った。

 最後は俺たち四人でって気を使ってくれたのかもしれない。

 それから四人でまた飲んで食べて騒いでとにかく楽しかった。

 そして、シャーリーがトイレに行った瞬間にスイッチが切れたのかロイとアリィがソファで寝てしまった。

 なので、俺は食堂から出られるバルコニー出て外の空気を吸っていた。

 そして、シャーリーがトイレから戻ってきて……今の状況だ。


 二人の間に沈黙が流れる。

 俺はいろいろ考えた。

 お酒の力を借りていいのか。

 でも、シャーリーがここまで言ってきたのに誤魔化すのは……。

 俺はロイに言われた言葉を思い出した。


 『男なら好きな子の期待に応えなくてはいけない』


 今がこの時なんだろう。

 俺は意を決して口にする。


 「シャーリー! 俺はー……」

 「スー……」


 シャーリーは俺に抱きついて寝ていた。

 せっかく意を決したのに……。

 まぁ、でも俺たちらしいか。

 それにやっぱり酔ってない時じゃないとな。

 シャーリーにここまで待たせたからには俺が頑張らないと。

 俺はシャーリーを部屋まで運び布団をかける。

 ロイとアリィにも布団をかけ、一人バルコニーに出る。

 物心ついた時は、まさかこんな未来が待ってるなんて思ってなかった。

 小さい時は人から避けられていて、こんなにみんなに囲まれて祝福される事なんてないと思っていた。

 いろいろあるけどこれが俺の人生だ。

 今日はロイ、シャーリー、アリィのおかげで人生で最高の日になった。

 他のみんなにも感謝だ。

 自分は周りの人とは違う。

 でも、受け入れてくれる人達がいる。

 俺は本当にみんなに出会えて良かった。

 何気に空を見上げる。

 雲ひとつなく、たくさんの星達がまるでたくさんの思い出のように輝いている。

 今日は星がいつもよりキレイに見えた。




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