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第四百三十八話 サラージ王国 その2
「これは……」
「酷い……」
「なぜ……」
俺たちはゴード・ザイールが去った後、とりあえずサラージ王国の様子を見る為に城下町へと向かった。
そして、中に入って広がる光景に言葉を失っている。
「こんな事するなんて人間なんて思えないっす……」
「それが奴らだ。人間なんて思うな」
ラートの言葉にクロードが返す。
確かにクロードの言う通り人間ならこんな事出来ないと思いたい。
「ルル大丈夫か? 無理ならあまり直視するな」
「大丈夫です。巫女として何があったのかをしっかり見ないといけませんから……」
目の前に広がる惨状。
そこにはこの世のものとは思えない光景が広がっている。
至るところが血で汚れ、何とも言えない匂いを放ち、至るところに人の首が並べられていた。




