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第四百十五話 対魔人化ルイーズ その9

 「ロイ……っ! 早く……っ!」



 俺が迷っていると、師匠は苦悶の表情を浮かべながら声を振り絞るように言ってくる。


 そうだ、魔人化した人間は元には戻れない。

 今の師匠は普通の人ならあり得ない事をやっているんだ。

 それは自らの意思とは違う行動……人を殺したりといった事をしたくない、そして、それを俺に止めて欲しいと……本来出来るはずのない事をやっている。


 師匠は戦っているんだ。

 そして、弟子であった俺に止めて欲しいと願っている……ならば……。


 俺は剣を持つ手に力を入れ魔力を高める。


「グァァァアアアアア!!」


 師匠は声を上げながら、再度無表情になり俺を見据える。

 そして、地面を蹴って俺に向かってくる。


「ロイ君っ!!!!」

 

 アリィが叫ぶ中、俺は目を閉じた。

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