第四百二話 対ダグマル その4
「ラート君!?」
遠くからルルちゃんが、叫ぶのが聞こえる。
ルルちゃんは俺がピンチだと気付いたみたいだけど、詠唱は間に合いそうにない。
それに先輩達も戦い始めたばっかだし、これは俺死ぬっすかね……。
「っ!?」
俺が一瞬死を覚悟した瞬間、何か黒いものが来て、ダグマルがそれに気付きそれから逃げるように距離を取る。
いったい何が……?
「見つけたぞ、ダグマル」
「クロード兄ちゃん!?」
昔と見た目は違えど、俺はすぐに分かった。
あれは間違い……クロード兄ちゃん!!
「クロード兄ちゃん! 俺ーー」
「覚悟しろ!!」
クロード兄ちゃんは、俺に目もくれずにダグマルへと向かう。
クロード兄ちゃん俺を忘れたっすか……?
「カルザルから話を聞いてまさかと思ってたが……やはりおまえだったか、アルフォンソ家の生き残りよ」
「……アルフォンソ家を陥れたおまえをずっと探していた……覚悟!!」
アルフォンソ家を陥れた……? どういう事っすか……?
俺が突然クロード兄ちゃんか出てきた事とダグマルとクロード兄ちゃんのやりとりに混乱していると、クロード兄ちゃんとダグマルが戦い始めた。




