第三百九十二話 対ダビド その1
「行くぞ、ソニン!」
「はい、お兄様!」
ダビド、父上そして、母上の仇ここで取らせてもらう!
俺は魔力操作をし、ダビドへと詰め寄る。
一瞬、魔人化したロイの師匠が俺に向かって来ようとするのが見えた。でも、ここはロイがなんとかするはず……。
俺はロイを信じ、魔人化したロイの師匠を気にせずダビドへ向かう。
ダビドは、魔人化したロイの師匠を使って、俺を阻止しようとしたけど、ロイが魔人化したルイーズさんに攻撃を加え、それをさせない。
ロイのやつ……そうでなくちゃな。
俺もこいつを……!
「ちっ、余計なマネしてくれますね!」
ダビドは援軍が来ない事に苛立っているようだ。
その間に、俺がダビドへと肉薄する。
「くらぇぇえええ!!!」
俺は一気に剣を振るうが、ダビドは魔人化し、上がった身体能力で後方へと飛び、攻撃を躱す。
ダビドは身体能力も魔力も司祭の中では下だと思っていたけど、魔人化しているだけはある。
簡単には行かないようだ。
でも、俺だってまだ本気を出していない。
ここからが勝負だ。
「来い。おまえを徹底的叩きのめしてやる」
俺はダビドに言葉を放ち剣を構え直した。




