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第三百八十九話 最後の晩餐 その後

 シャーリーはなにやら不安そうな表情をして立っている。

 どうしたんだろうか? 明日がこわいんだろうか?


「どうしたんだ? 明日がこわいのか? なんだったら別に行かなくてもいいんだぞ?」

「いや、明日は行きます。そうじゃなくて……」

「そうじゃなくて?」


 いったいなんだというのだろうか?

 うーん、分からない。

 シャーリーは何かを言おうとしているけど、躊躇っている様子だ。


「まぁ無理に言わなくてもいいさ。明日も早いし休もうか」


 そう言って帰ろうとすると、シャーリーの横を通った時に腕を掴まれた。


「あ、あの!」


 シャーリーはそこまで言うとまた俯いてしまった! いったいどうしたというんだろう?


「どうしたの……?」

「わ、私はハル君の事を覚えていません! でも、覚えてないけどもしハル君がいないとって考えると私の心にぽっかり穴が空いたような感じになるんです! みんなは私とハル君が付き合っていたって言うけど私は覚えていません。でも、本当はそうだったのかもしれないって思うほど、ハル君が居なくなったらって考えると胸が痛いんです! だから……だから、絶対死なないでください!」


「シャーリー……」


 シャーリーはそう言うと、「はは、私勝手な事言って訳わからないですよね」と言って走って行ってしまった。


 ……これだけ言われたら絶対死ぬ訳にはいかないな。


「明日は負けられないな……よし、頑張ろう!」


 俺は誰に言うでもなく、そう言って寝る事にした。

 すべては明日だ、明日で決まる……そう思って。

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