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第三百八十七話 最後の晩餐 その6
「あぁ、任せとけ。俺が師匠を止める……師匠を止めるのは弟子の務めだからな。ラートみたいに」
「はは! 確かにな! ラートの奴、アドルノさんの面倒みてるし、どっちが保護者か分からないな」
「俺もルイーズさんのチャラさにはどうしようかと思った事がたくさんある。その時だけは自分が保護者のような気分だったな」
そう言って俺とロイは笑い合った。
良かった、ロイの奴もっと悲壮になっていると思ったけど、思ったより大丈夫そうだ。
まぁ、俺が想像出来ないくらいの葛藤もあっただろうけど、それでもロイはちゃんと向き合い、自分で覚悟を決めた。
本当、凄い奴だと思うよ。
「じゃあ、また明日な。シャーリーに振られたショックで明日寝不足とかやめてくれよ?」
「大丈夫。それにまだ振られた訳じゃないわ!」
ロイの奴、ちょっと心の中で褒めたらすぐこれだ。……まぁ、気まずそうにされるよりは全然いいけど。
ロイは「どうだか。この後、寝れないからって酒飲んで二日酔いになるなよ」と言って去って行った。




