第三百八十六話 最後の晩餐 その5
そう言えばロイと出会ってからだいぶ経つな。
あの時はまだ俺はみんなから避けられ、一人で魔法の訓練したりして過ごしていた。
その時にロイに出会ったっけ。
それでじぃちゃんとばぁちゃんに内緒で、ダンジョンに潜ったり、二人でいろいろなったな。
それからシャーリーと出会って……。
村がドラゴンに襲撃されたりもあった。
その後にロイが王子だって知ったっけ。それからアリィも加わって四人で過ごすようになって、ルイーズさんとも出会い……。
イストニア帝国との戦争でウィルとソニンとも出会ったんだよな。
「なんだかイストニア帝国との戦争の前みたいだな」
「あぁ、そうだな」
あの時もこうやってロイと話したっけ。
あの時、俺は自分の力を戦争に使っていいのか……自分の力をどう使うか迷ってたな。
「あの時はまさかこんな事になるとは思わなかったけど、ゴルゾーラ教を止めるのは俺たちしか出来ないだろう。……それに、ルイーズさんのような被害者を増やしてはならない。ルイーズさんもきっとそう望んでいるだろう。……だからハル、
ルイーズさんは俺が止める」
「ロイ……」
「だからハル、おまえはこの元凶……ゴルゾーラ教の大司教を止めてくれ」
ルイーズさんを止める……それがどういう事かはロイも分かっているはずだ。
でも、ロイの顔は決意に満ちている。
ロイ、おまえは凄い奴だよ。
「分かった……じゃあルイーズさんは頼む」




