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第三百七十一話 シャーリーの心の中へ その15
『ハル様、そろそろ戻られないと……あまり長い間、身体と精神を切り離しているのは危険です』
その時、どこからともなくルクスの声が響いて聞こえた。
どれくらいの時間俺はシャーリーの心の中にいたか分からないけど、これ以上は危険なのか……でも……。
「ハル君、シャーリーさんのオーラは問題ありません。闇の雫の気配も感じませんでし大丈夫だと思われます。だから、身体に戻ってシャーリーさんが目を覚ますのを待ちましょう」
「……分かった」
闇の雫がもう存在していないのならここにいて特別できる事はないし、ひとまず脅威は去ったと思っていいだろうと思う。あとはシャーリーが目を覚ますのを待つしかないか……。
そして、俺はルクスの言う通り目を閉じて無心になる。すると、シャーリーの心の中に入ってきたと同じように一瞬光ったかと思うと身体がフッとなって俺はどこかに飛ぶような感じを覚える。
でも、それも一瞬の間ですぐさま何か横になったかのような感覚になる。
これは……。
俺は目をゆっくり開けた。




