第三百七十話 シャーリーの心の中へ その14
俺はシャーリーの元へと駆け寄りそして抱き抱える。
「シャーリー!! しっかりしろ、シャーリー!!」
抱き抱えてシャーリーの名を呼ぶけどシャーリーは目を覚ます気配がない。
俺は一応治癒魔法をかけてみる。
とはいえ、ここは心の中だ。治癒魔法が効果があるとは思えなかったけど、何もせずにはいられなかった。精神体だから治癒魔法自体がそう効力のあるものではない。
それに、シャーリーの見た目は何も怪我といったものは見えない。
「眠っている……ように見えますね」
ルルが横からシャーリーを見て呟く。
確かにルルの言う通りシャーリーはただ眠っているように見える。
「……ルル、このままで大丈夫なのか?」
眠っているように見えるけど、闇の雫の影響を受けていた以上、目を覚まさないと言うのは不安がある。
大丈夫なんだったらそれでもいいけど……。
「……分かりません。ただ、オーラに関しては何も問題ないように見えます」
「そうか……」
オーラが大丈夫だったら問題ない。……そう思いたい。
「うっ……」
「シャーリーっ!?」
その時、シャーリーが身じろぎしてシャーリーが少し呻いた。
「シャーリー!! 俺だ分かるかっ!?」
シャーリーはうっすらと目を開けて俺と目が合う。でも、そのまままたすぐ意識を失ってしまった。




