第三百六十九話 シャーリーの心の中へ その13
なんだ? 何が起こっている!?
俺の腕の中のシャーリーが光ったかと思うとそのまま光の粒子となっていく。そして、それとともに黒い靄が発生しそれが蒸発するが如く消え去ってしまった。
「シャーリー!!」
俺は慌ててシャーリーの名を呼ぶけど、さっきのシャーリーは消えてしまった。そのかわりにルルがシャーリーの気配がすると言っていた黒い靄に包まれた淡い光のところにさっきの光の粒子が舞い降り、周りにあった黒い靄を消し去っていく。
「いったい何がどうなっている……?」
俺は急な状況の変化についていけず、何が起こっているのか分からない。
すると、黒い靄に包まれていた淡い光りが徐々に消えていく。
なんだ? 何が起きている?
「これは……」
「どうしたルル?」
「あっ、いえ、さっきまで感じていた黒いオーラの気配が消えていくんです。変わりに段々とシャーリーさんの気配が……」
黒いオーラの気配が消えていく? という事は闇の雫の効力が消えていっているのか?
ルルがそう言ったところで淡い光は一気に弾けるように消し去る。
「っ!?」
光が弾けて消えたかと思うとそこには人影が横たわっていた。俺はその人影を見て駆け出す。それと同時にルルが叫んだ。
「シャーリーさんっ!!」
そう、光が弾けた先にいたのはシャーリーだった。




