第三百六十七話 シャーリーの心の中へ その11
「私の事嫌いなんでしょ? もういいよ。離してよ!」
俺の抱き締める力に反発してそれに抗うように闇の雫のシャーリーは俺に言葉を放つ。
「離すもんか! 俺はシャーリーの事が好きだ! ずっと守るって決めたんだ!」
「だったらなんで! なんで私がこんな辛い目に合わないといけないの!! 守れてないじゃない!!」
闇の雫のシャーリーは俺の心を刺すようなきつい事を言ってくる。
正直シャーリーの姿、声をした存在にそんな事を言われ俺の心は折れそうだけど、ここで立ち止まっちゃだめだ。ここで立ち止まったらシャーリーを助けられない。
シャーリーを守れなかった俺に出来る事……それは命ある限りシャーリーを助けに行く事!!
「……それはごめん。俺の力不足だ。でも、俺の命……俺の命がある限り俺は何があってもシャーリーを助けに行く!」
俺は闇の雫の浸食に耐えながらシャーリーを抱き締め続ける。
俺はもうシャーリーを離さない! 必ずシャーリーを救うんだ!!
しばらくそのまま会話もなく、膠着状態が続く。ルルもこの状況にどうして対応したらいいのか迷っているようだ。
「ハル君……?」
その時、シャーリーが口を開いた。




