第三百五十八話 シャーリーの心の中へ その2
段々と周りに映る光景か今のシャーリーの年齢に近くなってきた。
その中にはドラゴンが村を襲った時の光景もあった。その光景が映し出されているところは全体的に黒がかっていた。考えて見ればさっきのシャーリーの辛い思いをした時の光景も黒がかっていたしもしかしたら辛い思いをした記憶や嫌な思いをした記憶は元から闇を生み出す要因なのかもしれない。
それでも心が闇に染まらないのはたくさんの楽しい思い出があるからだろう。
シャーリーの心の中も辛い記憶もあるけど、それ以上に家族と笑っている記憶や楽しそうにしている記憶が多かった。
「シャーリーさんの気配が近くなってきました」
「了解、気を引き締めていこう」
ここまでは何事もなく順調に来られた。
でも、進むにつれて映し出される光景に闇の雫が侵食しようとしているのか、映像が黒がかってきた。
どうやら闇の雫はシャーリーの心の本体周辺に力を注いでいるようだ。
俺とルルは気を引き締めながら先を進む。
すると、シャーリーの記憶の中で今まで一番記憶の侵食が激しいところが見えてきた。
「あれは……」
「まさか……」
シャーリーの記憶の中で一番侵食が酷いもの。それは俺との思い出だった。




