第三百三十七話 霊峰フォルクレストでの出来事 その2
「それで俺たちは頂上を目指すんだよな?」
「はい。ラース教の教えではあの祠は霊峰フォルクレストの頂きにいる光の精霊様と通じていると伝えられています。頂きは聖域とされ本来足を踏み入れてはいけないのですが今回は光の精霊様に会う為に頂きに行かないといけません。……もっともお会いする事が出来るか分かりませんが……」
ルルが言うにはラース教の巫女が祈りを捧げる祠は光の精霊との窓口みたいな物だが、光の精霊は聖域から出る事が出来ないと伝えられているようだ。その理由はいろいろと伝えられていているが確証はないらしいしそもそも光の精霊に会った事がある人がいないらしい。
俺もエターナル・ログの知識に精霊はあるけど、今どこにいるか分からない。でも、ラートのノームに会ったように精霊は確かに存在しているみたいだし、光の精霊は俺に会って話す事があるって言っていたから存在しているのだろう。
今思えばノームに詳しく聞けば良かったな。
でも、光の精霊がいるとしたらこの場所以外に考えられないだろうしとりあえずは進むしかない。
「よし、じゃあ先を急ごう! ビアンさん大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ! なんたってダンジョンで鍛えられてるからね!」
あっ、そう言えばそうだな。
「それにしてもやっぱり霊峰というだけあって空気が綺麗だし魔物が出ないんだね! これはいったいどういう原理で……」
この感じ……どうやらビアンさんは研究者モードに入ったようだ。俺に飛び火しないといいけど……。
「そうなのですが……ほんの少し……ほんの少しですが霊峰フォルクレストのオーラが淀んで来ています」




