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三百三十五話 許可が下りました

 「ただいま戻りました!」


 しばらく宿屋の一室でビアンさんとウィルと談笑しているとルルが戻ってきた。

 談笑と行ってもその前に空間魔法を使い一度アースハイトへ戻ってビアンさんにシャーリーの様子を見てもらったけど詳しくは分からないようだ。

 ただ、身体上は問題なさそうだからやはり闇の雫の影響で精神に支障を及ぼしているのだろうとの事だった。

 そして、シャーリーを熱い眼差しで見るビアンさんに少し危険を感じ「ルルが戻ってくるかもしれないから」とラース教皇国へと戻ってきた。

 もし、シャーリーを研究材料にされでもしたらこわい。

 ラース教皇国に戻ってからビアンさんに「もっと研……いや、様子を見たかったのに」と言われたから「ほら! そうやってシャーリーを研究材料にされたらこわいからですよ!」と言うと「いくら私でも研究材料になんてする……いや、シャーリーはできないわ」と一瞬だけ考えて途中で頭を振って否定した。

 そして、その後怯えたようになった。……どうやらビアンさんはシャーリーに怯えているようだ。


 とラース教皇国に戻ってもしばらくルルが戻って来ないから心配していてあと少し待って戻って来なかったらラース教の総本山へ乗り込もうかと話していたところでルルが戻ってきた。


 「ルルどうだった?」


 ラース教皇国の返答次第では俺は国に追われる事になるかもしれない。


 「……なんとか説得できました! 最初は反対してたのですがこれから世界を揺るがす出来事になるかもしれないと説得したら許可が下りました!」

 「そっか……良かった……」


 固唾を飲んで返答を待ってた俺は安堵した。

 これで一応公式に霊峰フォルクレストに入れる。

 でも、反対意見を覆す事は難しいはずだ。ルルには感謝しないと。


 「ルル、ありがとう」

 「いえ、命がかかっているからこれくらい当たり前です!」


 ルル……。


 「それより早く行きましょう!」

 「あぁ! じゃあさっそく行こう!」


 

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