第三百三十四話 研究魂に火をつけたようです
「ルル、頼む」
「はい、分かりました」
ウィルの言葉にルルは頷くとラース教の総本山である建物へと入って行った。
俺たちも同行しようかと思ったけど、いくら前の件があるとは言え、個人的や理由で大司教に早々会えるとなると体裁が保てないと言う事で巫女であるルルが代表として話す事になった。
もっとも、ラース教皇国としても俺たちを無碍に出来ないしどちらかと言えばお願いという形でこうなった。
そして、俺たちは街の宿屋で待つ事にした。
「ーーで、ハル君他には?」
「いやいや、ビアンさんもう勘弁してくださいよ……」
俺は空間魔法を使って以降、ビアンさんの質問攻めにあっている。それを俺はのらりくらりと躱しているけど……しつこい!!
ビアンさんの研究魂に火をつけたのかさっきからずっと俺の側から離れず聞いてくる。
「ビアン、すまないがその辺にしてもらえるか? ハルはまだ万全じゃないんだ」
おぉ! ウィル君ナイス!
「むむ……確かそうだったわね。……まぁ恩人であるウィル君に免じてやめよう!」
どうやら解放されたようだ。
それにしても何故上から目線……?
その後「君たちのやるべき事がすべて終わったら聞かせてもらうからね?」という半分強制的な言い分をビアンさんの目の光が凄くて俺は断われなかった。
すべてが終わった後、俺は覚悟しないといけないようだ……。




