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第三百二十四話 シャーリーの容態

 シャーリーの傍らにいたルルはそう言うと立ち上がり俺たちの方へとやって来た。


 「今のところシャーリーさんの容態は神聖魔法を使う事によって膠着状態……いや、少しずつ悪い方向へと行っていて正直なところ決して予断を許さない状態です。私の能力であるシャーリーさんのオーラを見たところ、シャーリーの白き心を黒い闇が飲み込もうとしています。……でも、それでもシャーリーの心は負けず白き光は輝きながら黒い闇に飲み込まれないように必死に輝きを放っています」


 シャーリー……辛いだろうに、苦しいだろうに……でも、誰も知る事ないところで人知れず戦っているんだな……。


 「今は何とかシャーリーさんの心は持ってますがこのままでは……すいません……私の力不足です」


 そう言ってルルは頭を下げる。

 ルルは決して悪くない。むしろ今までシャーリーを見てくれていた。


 『ルルちゃんは謝る事ないよ。ありがとう』


 きっとシャーリーならそう言うだろう。


 「ルル……ありがとうな」


 俺はシャーリーに代わってその言葉をルルに伝える。いや、代わりだけじゃない。俺自身もルルに感謝している。ルルの神聖魔法がなければもっと闇の雫はシャーリーを侵していただろう。

 ルルだけじゃない。ここにいるみんながシャーリーや倒れた俺の面倒を見てくれていた。

 自分達も大変だったにも関わらずだ。


 「みんなもありがとう。俺はこれからシャーリーを助ける方法を探す。……だからもう少し力を貸してください」


 そう言って俺はみんなに向けて頭を下げた。


 

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