第三百二十三話 シャーリーの部屋へ
話が纏まった俺達は行動を開始する。
俺はまだ完全には体力が戻ってなかったが、じっとしてられない。
今回の戦いでは主に精神的な部分での負担だった為、治癒魔法も効かないしどうせすぐには良くならない。こうしている間にもシャーリーは戦っているのだ。俺だけがゆっくりしている訳にはいかない。
部屋出た俺たちはシャーリーが横になっている部屋へ向かった。
そして、俺は廊下を歩きながらロイに聞く事にした。
「ロイ……シャーリーは今どんな様子なんだ?」
「……見た目は何の変化もない。言うならば気持ち良さそうに寝ているといった感じだ」
「そうか……」
俺はそれ以降何も言葉を口にする事は出来なかった。そして、無言のまま歩き続ける。
「着いたぞ」
この先にシャーリーが……。
俺はドアに手をかけ、そして開けた。
「シャーリー……」
そこにはベッドに横たわるシャーリーがいた。
ベッドの周りにはルルとソニン、そして白いローブを着た神聖魔法の使えるラース教の信者と思われる人がいる。
スヤスヤと眠っているとしか思えない表情だが、俺の知らないところでシャーリーは戦っているんだ。
そう思うと俺は胸が痛くなった。
「ハル君、もう大丈夫なの?」
「あぁ、もう大丈夫」
心なしかアリィも疲れているようだ。
それもそうか。
仲の良いシャーリーが倒れロイはルイーズさんの事に悩み俺まで倒れた。
最初から一緒だった三人がこんな事になってアリィ自身も俺たち以上に疲れているかもしれない。
「そっか……良かった」
アリィは安堵した表情でにっこりとする。
ここまで素直なアリィも珍しい。
やっぱり相当の心労があったのだろう。
「シャーリーの様子は?」
「えっと……」
「それは私から説明しましょう」




