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第三百二十一話 アルフォンソ家

 「アルフォンソ家はサラージ王国の古くからの貴族でサラージ王国内でも大きな発言権を持っていました。そんな有名な貴族ですが、良い意味で貴族らしくなくて民衆の為に政治を行う。民衆に好かれる貴族でした。そんなクロード兄ちゃんの家、アルフォンソ家の当主、クロード兄ちゃんのお父さんはサラージ国王の異変に気付き異を唱えたのです。……しかし、国王の心には届かず、その場で惨殺されたそうです。その後、国王の指示によりアルフォンソ家は全員殺されたと……」


 そんな事があったのか……。

 あの男の過去にそんな事があったなんて……。


 「ラート、それが本当ならなぜその情報が他国に渡らない? それも不思議だ」


 ロイが言うのはもっともだ。

 それが本当なら何かしらの話が噂でも流れそうだけど……。


 「……それはサラージ王国に何か結界があるのか、サラージ王国を出た時に国内であったサラージ国王にとって良くない情報は記憶から消去されるみたいです」

 「そんなバカな!? それにそれが本当だとしたらなぜラートは覚えている!?」


 記憶を消去……まさか禁術の一つか!?

 精神魔法をみんなにかける為に結界を張ったというのか!?

 ……そんな事できる奴は……ゴード=ザイール。おまえはそこにいるのか!


 「何故か分からないっすけど、俺は光の精霊の加護を受けてるから……ってノームが最近教えてくれました。結界の事もノームからです」

 「そんなバカな事が……」


 ロイは呟き言葉を失う。

 国全体に結界を張り武器を集めいったい何を企んでいる……?

 ゴード=ザイール……おまえは何をしようとしているんだ……?

 

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