第三百十四話 研究者ビアン
「えっ!?」
まさかあのビアンさんが!?
精霊の研究はしていると言ってたけど、そんな凄い人だったのか!?
あの感じからそんな風に思わなかったけど……人違い?
「ハル……言いたい事は分かるがどうやら人違いではないみたいだ。魔法都市イシュテリアのビアンと言えば有名らしい。小さい頃から天才と呼ばれあらゆる研究でその才能を見せていたようだ。そして、その時ビアンが研究として一番力を入れたのが精霊らしい。しかし、気分転換でダンジョンの研究をしたところダンジョンにハマってしまって……という話だ。まぁ、俺たちが見た印象とは少し違うが噂で聞いた話で最近はダンジョンに篭ってて研究が滞っていると聞いたからあのビアンで間違いないだろう」
……そんな凄い人だったのか。
人は見かけによらないものだ。
……でも、確かにビアンさんの魔法陣を見た時の顔は研究者そのものだったな。
今は他に手が思いつかいし魔法都市イシュテリアに行ってビアンさんに会って精霊について聞いてみるしかないな。
「そっか。じゃあ一度ビアンさんに会いに行こう!」
「……そうだな」
「現状ではそれが一番だろう。……それはそうとロイ、ハルにあの後の事は話したのか?」
あの後の事……? あぁ、俺がシャーリーの救出に向かった後の事か。あの時は……そう言えば!?
俺はシャーリーの事で頭がいっぱいになっていたけど、ある事を思い出した。
そして、ロイの方を見るとロイは表情を曇らせていた。




