第三百二十三話 根本的な問題
自分の知識にある『闇の精霊』という言葉を探ってていく。
闇の精霊……光の精霊と対になる上位精霊。
闇の精霊は魔人化に深く関わっていて、負の感情に心を蝕まれると闇の精霊の加護を受け魔人化する。
続いて闇の雫といった言葉を探ってみたけど、こちらは何も知識にない。
という事は闇の雫はあのゴード=ザイールと言った奴が独自に作ったという事だろう。
くそっ!
「どうだ、ハル?」
俺はロイの問いに静かに首を横に振る。
「そうか……」
俺とロイの間に気まずい沈黙が流れる。
「一度ビアンを訪ねてみてはどうだ?」
「ウィル……」
沈黙を破るようにドアが開くとウィルが入ってきた。
ビアンさん……確か精霊について調べているって言ってたな。
「それはともかくハル、具合はいいのか?」
「あぁ、もう大丈夫だよ」
「何言ってるんだ? さっきまた倒れそうになったくせに」
「あ、あれはちょっとふらついただけだ!」
「それを大丈夫とは言わないと思うが?」
「くっ……!!」
「ふっ、そのいつものやりとりを見る限り心配はなさそうだな。……ハル、今のところシャーリーはルル達が見てくれている。でも、根本的な解決にはならない。俺もこの国やケータイとやらを借りてレドニンにも聞いたが、手掛かりはないようだ。しかし、闇の精霊……精霊について調べていると一つ分かった事がある。それはあのビアンが精霊についての研究の第一人者って事だ」




