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第三百二十二話 心を蝕むもの

 「!? なんだって!?」


 シャーリーの心が……やはり闇の雫の影響か?


 「ハル、落ち着いて聞いてくれ。ルルが言うには今のところシャーリーの心は黒いオーラに反発しながらも保たれているようだ。本来なら黒いオーラに飲み込まれてもおかしくないようだが……これはシャーリーが光の精霊の加護を受けているのが影響しているのかもしれないと言っていた。……もっともそれでもルルが言うには黒いオーラの力は強くそれだけではないかもしれないと言っていたが……」


 今思えば闇の雫で苦しんでいたシャーリーが突如光に包まれ意識を取り戻したのも不思議だ。

 でも、何にせよそのおかげでシャーリーは助かった。決して悪いものじゃないはず。


 「今のところはシャーリーの身体に変化はないそうだが、ルル曰くこの黒いオーラに心を侵食された時どうなるか……という事だ」

 「そんな!? 何とかならないのか!? ルルの神聖魔法は!?」

 「もちろんやったさ。神聖魔法をかけている間は少し黒いオーラが弱くなったらしいが、やめると勢いを取り戻す。……根本的な解決にはならないようだ」

 「そんな……なんとか、何か方法はないのか!?」

 「落ち着け! 今はラース教の司祭の協力を得て、神聖魔法を使えるものを派遣してもらっているところだ。それが到着するまでルルとアースハイトにいるラース教信者で神聖魔法を使える者かかりっきりで対応してくれている。……もっともルル以外の者はそれほど強力な神聖魔法を使えないしルルにも限界があるから万全とは言えないけどな」


 そんな……何か……何か方法はないのか!?


 「ロイ! 何か根本的な解決方法はないのか!?」

 「ルルが言うには黒いオーラからは闇の精霊の力を感じるらしいが……ハル、おまえのエターナル・ログの知識にはないか?」


 闇の精霊……。

 俺はエターナル・ログの知識を探ってみる事にした。

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