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間話 夢の中で

 「……ル君? ハル君!」


 ……ここは?


 「良かった。ハル君無茶するから心配したよ」


 目を開けると俺の目の前には白いワンピースを着たシャーリーが覗き込むように微笑んでいる。

 どうやら俺は仰向けに寝ているようようだ。

 それにしてもシャーリーはいつの間に着替えたんだろう……それにここは……?


 俺はゆっくりと起き上がりながら辺りを見回す。

 俺とシャーリーがいる空間は周りに何もなく、ただただ白い空間が広がっている。

 ……もしかして死んだのか?


 「ハル君、ありがとうね。助けに来てくれて」


 俺がいろいろ考えているとシャーリーが俺の手を取りお礼を言ってくる。

 でも……。


 「……シャーリーごめん。危険な目に遭わせて……俺がもっとしっかりしていれば……」


 そうだ。

 俺があの時ちゃんと警戒していればシャーリーをあんな目に遭わせなくてすんだはずなのに……。


 「ううん。私ハル君がきっと助けに来てくれるって信じてたから怖くなかったよ?」

 「シャーリー……」

 「私ね、ハル君が助けに来てくれて顔を見た時、嬉しかった。ハル君の顔を見るだけで安心できたんだ。この人がいたら大丈夫。何があっても私は私のままでいられる。絶対負けないって「」

 「でも……シャーリーに怖い思いをさせて……ごめん。俺は自分を許せなくて……」

 「もう……そんな顔しないの! ハル君は太陽だよ? いつも周りをてらしてくれる……だから、いつも笑顔でいてね? 怒ったりする顔は嫌だよ?」


 ……俺が太陽? 


 「そんなたいそうな……」

 「ううん。そんな事ない。ハル君の周りには笑顔が溢れるから」

 「でも……」

 「もう……そんな事ばっか言ってちゃ嫌いになるよ?」

 「そ、それは困る!」

 「ふふ、やっと難しい顔止めたね」

 「……参ったな」


 俺は息をついてシャーリーに微笑む。


 「そうだよ。ハル君には笑顔が一番……だからいつまでも笑顔でいてね? じゃないと嫌いになるよ?」

 「あぁ……分かった。嫌われちゃ困るしな」

 「ふふ、あっ……そろそろ時間だ」


 シャーリーはゆっくり立ち上がった。


 「えっ……?」

 「ハル君……大好き……」


 シャーリーがそう言うと姿がゆっくりと薄くなっていく。

 

 「シャーリー!! シャーリィィイイイ!!」


 俺は消えていくシャーリーの姿を捕まえようしながら叫び続けた。

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