第三百十一話 シャーリー救出戦 その14
そうだ! 俺はシャーリーを守る為にここに来たんだ! シャーリーはまだ無事なんだ! それなのに俺は諦めて自分を恨み、ダビドを恨み、ゴルゾーラ教を恨む事で目の前の現実から逃げようとしていた。あんなに苦しんでいるシャーリーが戦っているのに。まだ……まだなんだ! まだ終わっていない! まだシャーリーを守れる!!
「うぉぉぉおおおおお!!!!」
ウォォォオオオオオ……
俺の叫びと共に俺に問いかけてきていた声も呻き、そして段々と消えていった。
そして、さっきまで暗くなっていた俺の視界が明るくなる。
さらに、消耗していた俺の魔力が身体の底から湧き出るように溢れてくる。
これは……?
「つ、次はなんですっ!? 何なんですか!? その髪は!?」
ダビドは目、口を開き驚きながら声を上げる。
俺はその言葉に視線を上に上げると銀色の髪が視界に入ってきた。
この魔力……そして、この髪色は……。
「くっ、いけ、行くんです!!」
ダビドは慌てた様子で魔人化した女に指令を出す。
魔人化した女は無言のままダビドの命令を遂行する為に黒い膜から出て来ようとする。
その様子を見て俺は剣に魔力を流し込んだ。




