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間話 渦巻く感情 前編

 ……これはなに? 確かハル君が助けに来てくれて……。


 「うっ……ケホケホッ! ……ゔぅ……あぁっ! ぐっ……!」


 なにこれはっ!? 苦いし気持ち悪いし嫌っ!!

 で、でも吐き出そうにも流し込まれ続けてむせた反動で息を吸う時に飲んでしまう!?


 「くくくっ、この表情……たまりませんねぇ! そしてハル君、あなたの顔をなかなかの見ものですよ? ふははは!!」

 「ダビドへォォオオオ!!」


 あぁ、ハル君そこにいたんだ。でも、良かった。ハルが無事で。私はハル君が無事ならそれでーー。


 ホントウニソウナノ?


 えっ!? 何っ!?


 ホントウニソウナノッテキイテルノ。ホントウハ、ナンデワタシガコンナメニッテオモッテルンジャナイ? ミンナオナジメニアエバイイノニッテ。モチロン、ハルクンモ。


 そ、そんな事ないっ! 私はハル君の幸せを願ってるの!!


 ホントウニ? ソウナラナゼアナタハ、ハルクンガキタトキヨロコンダノ?


 そ、それは……。


 アナタハジブンガタスカリタカッタカラヨロコンダノヨ。チガウ?


 違う!! 私は助かりたかったのもあるかもしれないけど、ハル君の……好きな人の顔が見れて嬉しかったの!!


 ソウ。デモ、アナタハコノママダトマジンカスルワ。ソウシタラハルクントハスムセカイガチガウ。ナラバ、ハルクンモマジンカシチャエバイイトオモワナイ? ホラ、アレヲミテ。

 

 「ウォォォオオオオオ!!!」


 えっ……? ハル君どうしたの……? 何か黒いオーラが……?


 ソウヨ。ハルクンモマジンカシカカッテルノ。ハルクンハジブンノフガイナサト、ダビドヘノニクシミデココロヲヤミニソメヨウトシテイルワ。


 そんな……。


 デモ、ウレシイデショ? ハルクンモマジンカシチャエバアナタトイッショ。オナジソンザイニナレルノ。


 ……。


 ヨカッタワネ。アナタノハルクンハアナタヲミステズイッショノミチヲアユモウトシテイルワ。……サァアナタモマジンカシチャイナサイ!!


 嫌……嫌よっ!! 絶対に魔人化なんてしない! それにハル君も魔人化させないっ!!


 ナニヲ!? コシャクナ!! モット……モットココロノヤミヲオモテニダスノヨ!!


 ぐっ……あぁ!! ……でも、負けないっ!! 貴方が私なら私は貴方に勝つ!!


 『清キ心ヲ持ツ者ヨ。我ガ力ヲ貸ソウ』

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