第三百二話 シャーリー救出戦 その5
俺は一呼吸置いて気合いを入れ直す。
俺の行動によってシャーリーの命が左右される……失敗は許されない。
「……よしっ!」
俺はミスが許されないプレッシャーを払い退けるように言葉にして、でも小声で相手には聞こえない大きさで声を出して自分を奮い立たせると、隠れていた壁から飛び出した。
そして、決めていた方法である岩砲弾をダビド目掛けて多数放つ。
最初は重力魔法を使うべきか迷ったけど、この前に重力魔法を無効化する魔法宝具もあったし、重力魔法を使った瞬間に異変を悟られる可能性が高い。
せっかくこっちの存在がバレていないのなら、気づく前に倒せる方がいい。
その点、岩砲弾は威力、スピード、そして隠密さにおいて優秀だった。
スピードは速いし、威力もエターナル・ログの知識から回転を加え、貫通力が上がった。それに、岩砲弾は対ドラゴンとかでなければ、数センチ程の大きさで充分な威力を発揮するし、炎や水魔法のように音や温度で気づかれる事もない。
雷魔法とどちらか迷ったけど、万が一、シャーリーに感電とかしてもダメだと思い《ストーン・バレット》にした。
どうだ……?
俺が駆けるより前に岩砲弾がダビドへと差し迫る。
「!?」
しかし、異変に気付いた魔人化した男がダビドを庇うようにダビドの前へと立ち塞がった。




