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第二百八十八話 アースハイト攻防戦 その20

 俺は手にドラゴンを肉を断つ感触を得ながら目の前光景を見届ける。

 俺の魔力を纏わせた剣はドラゴンの硬い鱗に阻まれる事なく、肉へと食い込んで行く。そして、深く入った斬撃はドラゴンの肉によって勢いを奪われる事なくそのまま進んで行く。』

 ドラゴンは信じられないと言った様子で目を見開きながら俺を見ている。その間にも俺の剣はドラゴンの内部へと進み、ついにはドラゴンの首から右の翼を胴体から切り離した。

 ここまで、余りに短時間だった為にドラゴンは声を上げる事なく、その命を終えた。


 「さすがハル先輩っすね!」


 俺がドラゴンを倒し、地面に着地すると同時にラートが駆け寄ってきた。


 「まだだ。まだ奴がいる」


 俺はそう言うとダグマルを見据える。

 ダグマルの方も俺の方を見据えている。……厄介な奴だとでも思っているのだろう。


 「……」

 「……」


 お互い声を交わす事なく、ただ無言で睨み合う。

 知の司祭ダグマル……今回の件もなんの目的だったか分からないけど、これ以上被害を出さない為にここで倒してやる!


 「おまえはっ!?」


 俺とダグマルが睨み合っていると、突如ウィルの声が聞こえてきた。

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