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第二百八十二話 アースハイト攻防戦 その14

 「そんな……」

 「いつの間に……」


 誰からともなく声が漏れる。

 ドラゴンの炎が弱まり視界が開けてきたかと思ったらダグマルのドラゴンの両脇に一体ずつのドラゴンが立っていたのだ。


 「確かにおまえ達を侮っていたようだ。だから、考えを改め全力で戦わせてもらおう」


 ダグマルは両手を広げドラゴンを誇示しながら俺たちに言葉を放つ。

 ダグマルの奴イストニア帝国とシーレント王国に向かおうとしていたドラゴンを呼び戻したな。それはそれでこっちの思惑通りだけど、正直一体のドラゴンを倒してからが良かった。くそっ、思い通りにはいかないか。


 「ふん、なら俺たちも全力で戦わせてもらおうか。俺の出番がなくて暇してたところだ」


 俺たちの空気が悪くなったところでウィルが強気の言葉を口にする。


 「そうだな。生憎ドラゴンと言えど無敵じゃないみたいだしな」


 ウィルに続きロイまで……。

 二人ともみんなを鼓舞するように自分を奮い立たせているんだな。


 「先輩らの言う通りっす! そらになんたってこっちにも常識外れ(・・・・)のハル先輩がいるっすからね!」


 ……ラート、それは一言多い。


 「くくっ、さすがラートだ」


 おいロイ! 笑ってる場合じゃないだろう!

 まぁでもさっきまでの暗い空気から一転、女性陣にも笑顔が見られるしいいか。


 「ったく、おまえらは!! ……まぁ怒るのは後にして先にこいつらだな」


 俺たちは再度ドラゴン達に向き直った。

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