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第二百七十一話 アースハイト攻防戦 その3

 「俺たちも行くぞ!」


 俺が魔法を発動させ移動しようとすると、後ろからロイの声が聞こえた。

 振り返るとみんな頷き俺の事を見ている。

 男連中は何か決心している表情で女性陣は不安な部分も表情に出ているけど、行くという意思を秘めた表情をしている。

 正直みんなには危険を冒してほしくないけど、ドラゴン三体となると俺も一度に対応できない可能性が高い。


 「……分かった。でも、みんな自分の身の安全を第一に考えてくれ」


 俺もドラゴン相手となるとみんなの事を気にしながら戦うのは難しいと思う。

 エターナル・ログと今までの経験でどれくらい差が埋まったか分からないけどそれは戦うまで分からない。


 「ふっ、心配するな。俺はハルが出来ない事も出来るぞ?」

 「そうだ。俺もおまえとは違う形で力をつけた」

 「俺だってノームがいるっすからね! いざとなったらノームに働いてもらうっすよ!」


 ラート……いったい精霊をなんだと思ってるんだ?

 ロイのお父さん達はノームと聞いて首を傾げているし。でも、ロイもウィルもラートも気をつかってくれるなんてな。


 「それに、ハル女性陣はいざとなったら俺達よりも強いぞ?」


 ロイが俺に近寄って小声で話す。


 「そうだな」

 「二人とも? 何を言ってるのかな?」

 「ハル君? 私はそんなに強くないですよ?」


 振り返るとアリィとシャーリーが近くに来ていて不自然な笑顔で声をかけてきた。


 「うわっ! じょ、じょーだん! じょーだん!」

 「そ、そうだ、じょーだんだ!」

 「「本当に?」」

 「お、おう! だからアリィ、俺の後ろに隠れてろよ?」

 「う、うん! シャーリーの事は俺が守るから!」


 俺とロイはタジタジになって答える。


 「こんな状況で……みなさん凄いですね」

 「ルル、それはあいつらだけだ」

 「ホント、アリィお姉様とシャーリーお姉様、ロイ様はいいとしてハルは空気読めませんわ」

 「とか言ってソニンちゃんもあぁいう感じに憧れてたり? 俺とかどう?」

 「な、なに言ってるの!? そ、そんな軽い言葉なんて嫌です! 来るなら真剣にーー」

 「真剣ならいいの?」

 「そ、そういう問題じゃないですわ!?」

 「ウィル君も大変ですね……」

 「あぁ……」


 俺とロイがタジタジになっている後ろで何か聞こえたが気にしている時間はない。ウィルが若干なんか複雑な表情をしているけど……。


 「じ、じゃあ行こう!」


 俺の言葉に続いてみんな北門へと続く魔法へと足を踏み入れた。

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