第二百六十九話 アースハイト攻防戦 その1
俺はアースハイトの城へと続く魔法を発動させた。
「みんなついて来てくれ!」
俺の言葉にみんな頷く。
それを確認した俺は足を踏み入れアースハイトの城へと進んだ。
「ハル君!?」
足を踏み入れた先は国王の謁見の間であり、目の前はロイのお父さんがいた。本来ならロイや俺が使ってた部屋なりに一度行ってからの方がいいのかもしれないけど緊急事態だし許してもらおう。
とは言え、ロイのお父さんも周りの騎士や兵士達も驚いているけど。まぁ、久しぶりだから仕方ない。
きっと、そのうち俺だからってみんな納得してくれるだろう。
「お父さん、今の状況は!?」
俺の後ろから現れたロイが問いかける。
そして、ロイに続いてみんなも謁見の間へと入ってきた。
ラートやルルはロイのお父さんと初対面のはずだけど……ロイのお父さんは一瞬驚きの表情を浮かべたけどすぐに真剣な表情に戻った。
今はそれよりもドラゴンの事が優先だと考えたのだろう。
「ドラゴンは今、アースハイトの北の方からやってきているようだ。アースハイトの北に位置する街より緊急を知らせる狼煙が上がった。それにともなって早馬が到着し状況を把握した。もちろん、ドラゴンは早馬よりも早く到着したが、アースハイト王国の城下町一帯はアーティファクトを発動させ、防衛体制に入った為に被害はないが……残念ながら北の街は壊滅のようだ」
「壊滅……」
ロイのお父さんの言葉にシャーリーが震えながら呟く。
他の女性陣も信じらないと動揺していて、ロイとウィル、ラートは険しい表情で話を聞いている。
くそっ! いったいなんでこんな事を……。
「父さん、ドラゴンは今どこに?」
「今は北の丘に留まっているようだ。シーレント王国にも警戒の連絡を入れ、レドニン君にも連絡を入れた。双方共、それぞれのアーティファクトなりでしているだろう」
アーティファクト……それがどれくらい効果があるものなのか、どういったものなのかは分からないけど、ドラゴンが攻めあぐねているところをみると凄いものなのだろう。
「ドラゴン相手にこれからどう対応するか考えていたのだがーー」
「失礼します! ドラゴンが動き出しました!」




